“こう乗れば勝てる” 横山典の手綱捌きでクラリティスカイが戴冠
【佐藤直文 先週のレース回顧】
傑出馬不在で混戦模様を呈していたNHKマイルカップ。皐月賞5着からマイル路線に戻ってきたクラリティスカイを、天皇賞のゴールドシップに続いて横山典騎手が勝利に導いた。
“こう乗れば勝てる” 鮮やかクラリティ&横山典 【NHKマイルカップ】
スタートを決めてハナへ行ったのはレンイングランド。その出方を見ながらアルビアーノが2番手に収まり、序盤から落ち着いたペースになった。半マイル通過は47秒3。過去10年で3番目に遅く、ミッキーアイルが逃げ切った昨年が46秒6ということを考えても、先行馬に有利な流れだったと言える。
道中は少し行きたがるのを宥められつつ、クラリティスカイは、アルビアーノの直後を追走。直線では、先にアルビアーノが抜け出したことで何の不利もなく前が開き、残り1ハロンで馬体を併せてキッチリと差し切った。同じ舞台でレコード勝ちした2歳秋のいちょうステークスと、ほとんど同じレース運びは、“こう乗れば勝てる”という横山典騎手の自信の表れであったろう。流れに恵まれたことは確かだが、結果的に単勝一桁オッズの上位5頭が掲示板を占めたのは、各馬が力通り走ったと見てよく、素直に力が一枚上だったと言える。
アルビアーノは、持ち味を生かした完璧なレース運びだった。目標になって差されたのは仕方ないが、2着を守ったことは大いに評価すべきで、末恐ろしい牝馬が出現したと言っていい。
ミュゼスルタンは、道中で外を回さずコースロスを最小限に抑えた形。直線では進路を探しながらも、前が開いてから鋭く脚を伸ばしていたが、勝ち切るにはもう少し展開の助けが必要だったか。
アヴニールマルシェは、馬群がバラけた最後の最後に脚を使って能力を示したが、やはりレース間隔が空いた影響があったように思えた。グランシルクも勝ち馬の直後から差を詰めたが、前走で見せた脚は使えなかったあたり、中山向きなのかもしれない。
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