【チャンピオンズC回顧】「外野の不安」一蹴したレモンポップ 期待したい再度の“海外遠征”

佐藤直文 レース回顧
チャンピオンズカップ

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強気の逃げで春秋GI制覇 進化を遂げたレモンポップ

 中京に舞台を移した2014年以降、8枠の馬が1頭も馬券対象になっていないというデータ。ただ、その“鬼門”とも言うべき枠順を克服してみせた勝ち馬のレースぶりからは、これまで8枠に強い馬が入らなかっただけと考えていいだろう。

 そのレモンポップ。大外枠もあって自分のリズムで走らせたかったこともあるだろうが、ゲートからの上り坂であれだけダッシュを利かせてハナを奪えること自体、能力レベルの違いを示すもの。他がガンガン行かなかったこともあるが、距離もコーナー4回も初めてという未知の領域で、あえて目標になることを厭わずにハナを切ったのも、中間の調教でも手綱を取って感触を掴んでいた坂井騎手にとって初モノづくしが“外野の不安”でしかなかった証拠だろう。さすがにゴール前は脚が上がり気味で、距離はこれがギリギリかと思えるが、今やダートでも世界レベルの日本代表として、再び海外での熱い走りに期待したい。

レモンポップ

強烈にハナを主張したレモンポップが、そのまま逃げ切りで人気に応えた

 2着ウィルソンテソーロは、勝ち馬のみならず道中2、3番手の馬も上位に流れ込む決着の中で、直線では1頭だけ次元の違う脚を使ったもの。前走は勝ちに行って終い一息だったが、出遅れたとはいえ脚を溜める競馬で持ち味を引き出した原騎手の好騎乗だった。

 3着ドゥラエレーデは、2番手で流れに乗って自分の競馬ができたもの。スタミナも十分に示す内容で、今後はダート路線に絞っていいかもしれない。

 4着テーオーケインズは、勝ち馬を射程に置いた絶好のポジションで運べていたが、現状ではこれが精一杯だったか。

 5着メイショウハリオも、ポジションを取れなかったとはいえ、ロスなく立ち回ってもここまでだった。

 セラフィックコールは、脚質的にコースが合わなかった感も受けるが、2着馬と同じ位置から伸びなかったあたり、初めての中3週で状態面が本物でなかったかもしれない。クラウンプライドも、本来の行きっぷりになく、韓国遠征後の疲れが尾を引いたか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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