【朝日杯フューチュリティS回顧】勝ち馬は2000mもOK? 2着エコロヴァルツには「ドウデュース級」の声

佐藤直文 レース回顧
朝日杯フューチュリティS

絶妙だった鞍上のエスコートで ジャンタルマンタルが無傷で頂点へ

 午後になって良馬場に回復したとはいえ、前日までの雨の影響を受けた馬場コンディションで、直線でも中から外あたりが最も伸びる状況。その中でけっして有利とは思えなかった内目の枠を引いた上位3頭は、それぞれ違う競馬で克服してみせた形だった。

 ジャンタルマンタルは、序盤は中団のインをリズム重視でジックリと運び、思ったよりも後ろのポジションではあったが、そのまま無理に外へ持ち出すことなく3~4コーナーで労せず射程圏まで進出し、直線を向くとサッと仕掛けて馬場の良い中ほどへ持ち出して抜け出す形。早目に動いたことで最後は後続に詰め寄られはしたが、最後まで脚色も鈍ることなく押し切っての完勝だった。今後は距離が延びてどうか、ということになるが、操縦性の高さを考えれば折り合いにも苦労するタイプではなく、父はダート12FのベルモントS勝ち馬であれば、むしろ距離が延びてこその馬かもしれない。

ジャンタルマンタル

直線早目に抜け出した1番人気ジャンタルマンタルの脚色は最後まで衰えず

 2着エコロヴァルツは、スタート後の向正面でぶつけられて最後方までポジションを下げるロス。直線を向いても前が壁で大外へ持ち出さざるを得なかったが、ここまで来たのは能力以外の何物ではないと思える内容だった。無傷の3連勝でここを制したドウデュースに実績で肩を並べることこそできなかったが、器自体は遜色がないことをアピールした。

 3着タガノエルピーダは、牡馬相手に正攻法で立ち回って、前の組にはけっして楽ではない流れの中で渋太く粘り込んだもの。先週の阪神JFを除外されてのスライドだったが、出走できていれば…と思わせる走りだった。

 4着ジューンテイクは、テンに行き脚が付かず序盤は離れた最後方だったが、大外を回ってジワジワと差を詰め、直線でも一旦は2着かと思わせる見せ場十分の内容。もっと距離があっていいタイプだろう。

 ダノンマッキンリーは、やや道中で力みを見せたとはいえ、そこまで折り合いを欠いたようにも見えず、前走の反動が出たのかもしれない。シュトラウスは、3角手前から一気にマクって行く競馬では最後までもたなくて当然だったが、前に壁を作れない大外枠が仇となってしまった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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