ストレイトガールとヌーヴォレコルト 勝敗を分けたのはハイペースの経験値

佐藤直文 レース回顧
ヴィクトリアマイル京王杯スプリングカップ安田記念

7歳にして益々充実 サクラゴスペル 【京王杯スプリングカップ】

 日曜のヴィクトリアマイルより距離が1ハロン短いにもかかわらず、こちらはゆったりしたスローペースに。過去を振り返っても、こういう流れになることが多いレースであるが、今年も“直線向いてヨーイドン”の競馬となった。

 直線を向いて馬群が団子状態となった中で、勝ったサクラゴスペルは、スムーズに外へ持ち出された。このペースでは絶好と言えるポジションで運べたことも大きいが、7歳を迎えてのこの充実ぶりには頭が下がる。ベストは今回の1400mという印象は拭えないものの、本番の安田記念でも同様の流れで同様に運べるのなら、可能性はあるだろう。

 2着ヴァンセンヌにとっては、一見すると不利な流れではあったが、逆にスローペースだったために置かれずに追走できたことが良かった。4コーナーでも巧く外へ持ち出せていたし、あとはハイペースで時計が速い決着に対応できるかどうかだ。

 1番人気ダイワマッジョーレは、相変わらずの出負けが響いた。同じ脚質でもヴァンセンヌとは違って、ペースが上がらないと苦しい馬であり、直線でも外へ出せず前がズラーッと壁に。進路を見付けてからは良く伸びていたが、脚を余してしまった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。