厩舎担当コジが断言「ドゥラメンテに不安なし」 宝塚TM座談会

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まだまだいるぞ 逆転候補が

上田「ゴールドシップ引退後の中長距離界を、ラブリーデイが主役となって引き継ぐのか、と思えた時期も確かにあったけど、もう風向きは変わってるよね。有馬記念を勝ったゴールドアクターにしても、春の天皇賞の大敗で勢いが止まったと思えるし、今後の古馬王道路線は、現4歳世代やこれから台頭して来る3歳勢が引っ張って行くんじゃないかな。3歳馬の参戦がないここでは当然4歳馬中心と見ていいと思うけど、中でも期待したいのはシュヴァルグランなんだ。2走前と4走前が同じ阪神で強い競馬だったし、ここで前走のリベンジも十分可能だと思うよ」

瀬古「その天皇賞では、レース序盤のポジション取りで少し遅れを取ったことが、結果的に響いての3着でしたね。ただ、初のGI、初の58キロ、展開も向かなかった上での結果ですから、目下の充実ぶりは十分に伝わってきました。操縦性の良さもあって長丁場で結果も出してますけど“本質的には中距離向き”というのが陣営の見立てですし、適距離に経験値も加わった今回は怖い存在かもしれませんよ」

シュヴァルグラン

重賞初勝利をあげた阪神コースでGI獲りを目論むシュヴァルグラン(撮影:日刊ゲンダイ)

久光「僕はようやく万全の状態での出走となるトーホウジャッカルの復活に期待します。4着だった昨年よりは相手も強力ですが、自身のデキは8ヶ月ぶりだった昨年とはまるで違いますよ。菊花賞の超レコードのイメージも強い馬ですが、ビュンと切れるタイプではなく長くいい脚を使う持久力型で、少し渋った馬場もむしろ魅力ですね」

小桧山「史上最も遅いデビューでの菊花賞勝ちは、レコードもあったけど、そこまで休みなく使われたことで反動が一気に出てしまったんだよな。前走の天皇賞は、やってはいけない坂の下りからのマクリでの進出で最後に脚が上がってしまったけど、復活の兆しは十分に窺えたぞ。サウンズオブアースを物差しにすれば、“ドゥラメンテ以外”とは勝負になる計算だよな」

瀬古「天皇賞の時は開催を通して道中で内を回った馬の活躍が目立ってましたし、実際に4着までの馬は全てそうでした。外を回ったトーホウジャッカルの5着は、同じようなコース取りだったゴールドアクターが沈んだことを考えても悪くない内容でしたし、昨年4着も“順調だったら…”と思わせる競馬でしたからね。陣営も“菊花賞に近い状態”とのことなら、真の実力馬が復活するはずですよ」

持木「僕はGI勝ちこそないものの、その資格は十分あると思えるラストインパクトを狙ってみます。2走前の中山記念では早目先頭で敗れましたが、ジャパンCのように内でうまく脚が溜まれば上位争いも可能です。1週前の追い切りが、スイッチが入ったかのような抜群の動きでしたし、過去を振り返れば宝塚記念でGI初制覇を成し遂げた馬も結構多いですから…」

桜井「定年の松田博厩舎から転厩してきて、これで3戦目となりますが、馬が角居厩舎の調教パターンに慣れてきたのか、仕上りが予想以上に早く、中間の追い切りを1本セーブしたほどなんです。それが2週前で、時計を出さなかったのは順調さを欠いたわけではありません。最終追いに騎乗した川田騎手も“先週よりグンと良くなった”と、明るい表情でしたし、調整の難しい海外遠征後でも、力を出せる状態だと言えますね。ただ、心配なのは馬場状態です。雨の影響がどこまで残るのか。乾いた良馬場でこそのタイプですからね」

「これまたGI未勝利のステファノスは、状態が良いとナマで見て感じる馬に◎を打つのが僕のスタイルなので、関西馬の中ではコレが一番良く見えたということです。昨年の中山記念から1年以上も勝ち星はありませんが、その間を通じても今が一番だと思います。先週、今週と、動きもグンと変化してますからね」

小野智「追い切りから帰ってきた戸崎圭騎手は“前走より反応が良くなっています。ただ、あまり馬場が悪くなると嫌ですね”と。やっぱりソコなんですよね…。その他のジョッキーコメントでは、マリアライトの蛯名騎手が“前走2着は道中の不利が痛かったよ。1本追い足りないデキだったことも確かだし、そのぶん今回はかなりの上積みがあるよ。チャンスはあると思っている”と、けっこう強気でしたよ」

佐藤直「今回は4歳馬中心のスタンスだけど、それ以外で一番面白いのはマリアライトだろうな」

坂倉「確かにマリアライトの前走は、入厩して日も浅く、これで大丈夫なの?というデキでしたし、それでも序盤で手綱を引くシーンがなければ、と思わせるほどの力を示してましたね。もちろん今回はエリザベス女王杯時のデキに近づいてはいますが、“このメンバーでどこまでやれるか楽しみ”という陣営のコメントからは、あくまで胸を借りるという感じですが…」

デスク「あとは前走でアッと言わせた馬の再現パターンで、カレンミロティックなんかはどうなんだ?」

瀬古「前走は、とにかく好騎乗に尽きましたが、8歳でもまだまだ健在という印象は受けましたね。ただ、今回は2200mですからね。持久力を要求される競馬ならチャンスはあると思いますが、2年前にゴールドシップの2着があるとはいえ、ある程度のスピードが必要な距離では評価を落とす必要があります」

那谷「前走の再現なら、怖いのはサトノノブレスだろうな。“今がピークの状態で、ここが勝負”と、陣営も強気一辺倒だった鳴尾記念がレコードV。そして、そのデキを維持していると、乗り手も獣医も太鼓判を捺しているんだ。“ディープ産駒だけど、キレ味よりも渋太さで勝負するタイプ。道悪は得意というわけではないけど、他の馬が気にするようなら”と、和田騎手も色気アリの様子だったしな」

デスク「あとは、コジが何か言い足りなさそうだが…」

小島「さっき話したとおり、僕はドゥラメンテがまず負けないと見てますけど、その最大の相手となるのが、同じ堀厩舎のサトノクラウンだと思ってます。香港での前走は、ジョッキーが馬場を敗因に挙げていましたが、それよりもリズム良く走れなかった気持ちの問題だと思います。もともと、そういうムラっ気のある馬ですが、集中力を高めるために中間から着けたチークの効果が十分に見て取れ、もちろん実戦でも着用の予定です。道悪の京都記念での走りから“馬場が悪化すれば、なおイイね”という雨歓迎ムードもありますし、長年担当してるとわかるんですよ、来る時の雰囲気が」

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2024年有馬記念特集

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平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。