【高松宮記念回顧】「完璧だった」サトノレーヴ またも惜敗ナムラクレアは「仕方のない結果」

佐藤直文 レース回顧
高松宮記念

マジックマンが叶えた夢 サトノレーヴが遂に頂点へ

 近年は天候に恵まれず、良馬場で施行されたのは実に6年ぶりとなったが、1分7秒9というやや平凡な時計の決着は、最後の直線で吹いていたかなり強い向かい風の分もあっただろう。レース自体のレベルは、かなり高かったと言っていい。

 サトノレーヴは、スタートを決めた上でスッと下げて中団のインに収まる形。直線を向いてからは、前の馬を風除けに利用しながらスムーズに外へ誘導され、残り1ハロンを過ぎてから力強い脚取りで突き抜けてみせた。懸念されていた直線の坂や経験のなかった左回り、そして暮れの香港以来のぶっつけを、全てクリアした陣営の力に改めて感服させられたが、プラン通りの競馬で勝利へ導いた“マジックマン”モレイラ騎手の手綱捌きもまた完璧だったと言える。

サトノレーヴ

直線しっかりと脚を伸ばした2番人気サトノレーヴがGIタイトルを獲得

 2着ナムラクレアは、勝負どころからは相手を勝ち馬に絞ってマークする形。直線でも一旦は馬体を併せるかのシーンもあったが、自身が伸びた分だけ相手も伸びていた。これまた巧く乗られていたが、仕方のない結果だった。

 3着ママコチャは、枠なりに外を回る形の追走で、直線を向いて外からねじ伏せて一旦は先頭に立ったもの。最後は上位2頭の決め手に屈したものの、力は十分に示す走りだった。

 4着トウシンマカオは、道中は行きたがるのを宥めながらのシーンもあったが、よく我慢してラストの伸びにつなげた形。

 マッドクールは、最内枠からロスのない立ち回りができていたが、数字以上に馬体が緩かった印象で、伸びきれなかった。ルガルは、2番手追走から直線を向いて先頭に立つシーンもあったが、そこから脚が鈍ったあたりまだ本調子になかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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