ジュエラー、ビッシュの取捨は? データ班はレーティングに注目
オークス馬シンハライトがまさかのリタイア。桜花賞馬ジュエラーは故障明けのローズSで大敗と暗雲立ち込める牝馬3冠最終戦。データ班はどう切り込む?
今年のポイントは紫苑Sをどうするか
オークスの1、2着馬が不在という秋華賞は当時は3歳牝馬限定戦だった1982年のエリザベス女王杯以来のこと。厳密に秋華賞という括りで言うなら初めてのことである。そして今年は「用無しトライアル」と言っても過言ではなかった紫苑SがGIIIに格上げ。これまでとは様相が一変する可能性もある。
前走レース別成績(過去10年)
ローズS〔7.8.4.61〕
クイーンS〔1.0.1.6〕
紫苑S〔1.0.0.38〕
オークス〔1.0.0.12〕
夕月特別〔0.1.0.4〕
例年通りなら、ローズS組から買っておけば大体当たるようなレースだが、今年はそのローズSを勝ったオークス馬シンハライトが不在。というわけで先に紫苑Sについて考えてみたい。
しかし、紫苑S組が秋華賞で馬券に絡むのは極めてレアケース。データ的には推せないのだが、今回は「レーティング」に着目してみた。今年、紫苑Sを勝ったビッシュが獲得したレーティングは「108」。これはローズSを勝ったシンハライトと同じであるし、紫苑Sの過去10年を振り返っても最高評価である。
また、過去10年、ローズSで「108」以上のレーティングを獲得していた馬は〔2.2.1.2〕と、高い好走率。ローズSと紫苑Sでは勝手が違うのは承知の上だが、レーティング上では互角の評価ができるのではないだろうか。今年は紫苑Sを勝ったオークス最先着馬のビッシュに期待してみたい。
ローズS組の判断材料
さて、問題はローズS組。そのポイントは着順というよりも着差にあるとみた。
ローズS組の着順別成績(過去10年)
1着〔2.3.1.4〕
2着〔2.2.1.5〕
3着〔0.2.1.7〕
4~5着〔2.1.0.10〕
6着以下〔1.0.1.34〕
ローズS組の着差別成績(過去10年、1着馬との着差)
0.2秒差以内〔4.4.1.9〕
0.3~0.5秒差〔0.0.0.11〕
0.6~0.9秒差〔0.1.1.17〕
1.0秒差以上〔1.0.1.19〕
ローズSの上位入線馬の成績が良いのは当たり前だが、問題はその着差。「0.2秒差以内」なら3着内率は50%にもなる。よってクロコスミアとカイザーバルは要マーク。
桜花賞馬の取捨は?
非常に扱いが難しいのが桜花賞馬ジュエラー。そもそも故障明け2戦目という馬をデータでどうこう、というのはナンセンスな話だが、データに則って話を進めるしかない。
過去30年の桜花賞馬で同年の以降のレースで3着以内がなかった馬は6頭。そのうち5頭が「桜花賞で初重賞制覇」という馬だった。その点から言うとやや不安は残るが、シンザン記念とチューリップ賞の2着はほぼ重賞勝ちに等しい価値があるとも言える。また、桜花賞馬が秋華賞に出走したケースはこれまでに15頭。その成績は〔6.2.1.6〕と優秀なもの。なのでジュエラーを切ってしまうのは怖さが残る。
結論
◎ビッシュ
△クロコスミア
△カイザーバル
△ジュエラー
宮崎(競友)
阪神ジュベナイルF(GI)
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