ドゥラメンテの次走は? 三冠の重みと凱旋門賞の価値

【馬声人語】
皐月賞に続きダービーでも同世代を圧倒し、二冠馬に君臨したドゥラメンテ。菊花賞で三冠を狙うのか、凱旋門賞への遠征か、今後の動向が注目されるが…。

馬声人語
菊花賞海外競馬凱旋門賞

三冠か 凱旋門賞か

 春の3歳クラシック戦線が決着し、ドゥラメンテが皐月・ダービーの二冠を制覇。その強さに疑問を抱く声はほとんどなくなっただろう。そして、すでに我々の関心は「次」に移っている。菊花賞で三冠を目指すのか、それとも凱旋門賞へ向かうのか、という点である。

 陣営やオーナーサイドはあくまで「未定」というスタンスだったようだが、現状で同世代のライバル達との勝負付けが済んでいる点や、京都の芝3000mという舞台への適性が不明瞭なことを考えると、菊花賞よりも凱旋門賞に向かう可能性が高いのではないだろうか。

 もし、ドゥラメンテが菊花賞に出走しない場合、故障した馬を除けば日本競馬史上で初めて「皐月賞・ダービー二冠馬の菊花賞不出走」ということになる。昨今、長距離レースの権威の低下、レベルの低下が叫ばれているが、今回のケースは今後の3歳馬のレース選択にも影響を及ぼし得るだろう。

 これほどの馬である。勢いのある3歳のうちに凱旋門賞という、これ以上ない大舞台で走らせてみたいという考えと、まずは国内で三冠を念頭にローテションを組、しっかりと成長したのちに海外の大レースに挑戦するという考え方。どちらも間違いではないだけに、悩ましいところだろう。