あんな競馬ができるのか 完璧なレース運びでモーリスが完勝

佐藤直文 レース回顧
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次も楽しみ ラブリーデイ 【鳴尾記念】

 少し雨の影響が残ったとはいえ、開幕週の馬場で前半1000mが59秒5というのは、けっして速くないペース。好位で流れに乗っていた1番人気エアソミュールにとっては、完全に勝ちパターンの競馬だったはずだが…。

 そのエアソミュールに、4コーナーでは余裕の手応えで並びかけ、アッサリと差し切って見せたラブリーデイ。少なくとも、“エアソミュールよりは相当強い”と思える内容だった。今年に入ってこれで重賞3勝目。中山金杯でもレコード勝ちしたように、この2000mがベストであろうが、もう1ハロンの延長は十分にこなせる距離だ。目下の充実ぶりから、GI馬が揃う宝塚記念でも、目が離せなくなってきた。

今年重賞3勝目をあげたラブリーデイ(撮影:日刊ゲンダイ)

今年重賞3勝目をあげたラブリーデイ(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着マジェスティハーツ、3着アズマシャトルは、力を付けたと言うよりも、流れに乗って自分の競馬に徹した結果。それを考えてもエアソミュールが2着を確保できなかったというのは、少し情けない。別に開幕週の速い馬場が応えたとも思えず、こちらは宝塚どうこうの話ではなさそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。