交流GIでも勝ち負け ダート界の新星グレイトパール

佐藤直文 レース回顧
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早目に動いて圧勝 グレイトパール

 前がガンガン飛ばすハイペースで馬群も縦長に。ポツンと離れた最後方を運んでいた馬が2着に届く展開だったが、この流れを向正面から仕掛けて動き、直線で後続を引き離した勝ち馬は桁違いの強さだった。ダート界に新星が現れたと言っていいだろう。

 そのグレイトパールだが、長くいい脚を使える馬の特性を生かした鞍上の好判断もあったが、それにしても今日の流れを早目に勝ちに動いての圧勝は、想像以上の強さであった。これでダートに転じて5戦4勝、うち4勝の京都コースが合っているのだろうが、これだけの強さを示したのなら他の舞台でも期待できる。出走が叶えば、交流GIでも勝ち負けできるレベルだ。

グレイトパール

グレイトパールが2着に4馬身差をつけて初重賞制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着クリソライトは、展開がハマッたとはいえ、58キロを背負った7歳馬の激走には頭が下がる。コリアカップの圧勝やダイオライト記念3連覇の実力を、久々の中央出走で存分に示したと言えるが、今日のように気分良く走ることができればどこからでも競馬ができる馬だ。

 3着マイネルバイカは、好位でうまく流れに乗って直線でも渋太く脚を伸ばした形。他馬の動きに惑わされず自分のペースで走れたのが好走の因とはいえ、これまた8歳馬の激走には驚かされた。相手に恵まれた交流重賞ではまだまだチャンスがあるだろう。

 4着ピオネロは、2着馬同様にハマッたクチだが、これまでは好位で運ぶ形が多かったが、控えて末脚を生かす今日のような競馬の方がいいのかもしれない。

 5着ケイティブレイブは、強かった勝ち馬に早目に来られる厳しい形を考えれば負けて強しの内容。58キロの斤量を考えてもよく走っており、勝ち馬がいなければ普通に楽勝まであったか。

 グレンツェントは、後方のままで全く競馬にならなかったが、これは完全に体調の問題だろう。立て直しが必要かと思われる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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