一頓挫あったエアスピネルに「渾身の仕上げ」で挑む馬とは

人気ほどの力差なし　この馬にも要注目

須藤「故障による２年近くもの長期休養で出世が遅れていたロジクライですが、前走は完全に本来の姿を取り戻したと言える勝ちっぷりでした。この中間も、一切緩められることなく調教を強化し、さらに状態は上がっています。３歳春のシンザン記念で桜花賞馬ジュエラーに競り勝ったように、潜在能力はＧI級の馬。強力な同型馬も不在で、開幕週の馬場なら容易には止まらないはずです」

那谷「休み明けだった４走前の時点から“２年近くも休んでいた馬とは思えない動き”と、須貝尚師は言っていたけど、その言葉通りに上昇して重賞に戦線に戻ってきたからな。“今は脚元にも不安なく調整できているし、成長が見られるのはハーツクライ産駒ならではだね”と、師は本格化ムードを匂わせていたんだ。ここを勝って、混沌マイル界の救世主となる可能性も高いだろうな」

連勝で本格化の雰囲気漂うロジクライ（撮影：日刊ゲンダイ）

瀬古「年明けの京都金杯で待望の重賞初制覇を遂げたブラックムーンですが、それを含めて京都マイルでは７戦３勝、２着２回の実績を誇っています。昨秋のマイルＣＳこそ６着どまりでしたが、勝ち馬を上回るメンバー最速の上がりをマークしたものですし、ロスなく立ち回った勝ち馬とのコース取りの差を考えても十分な内容だったと思います。阪神マイルでレコード勝ちの実績もあるように、開幕週の馬場もピッタリでしょうね」

目黒「この馬も久々が鍵となりますが、放牧を挟んでここ目標に調整されましたし“いつもの放牧明けよりも緩みがない感じで戻ってこられたし、１週前にしっかり負荷をかけて、今週もいい追い切りができた。使いながら調子を上げる面はあると思うけど、予定通りの調整ができたし、仕上がりはいいと思うよ”との西浦助手の言葉から、態勢は整ったと考えたいですね。“とにかく前半のリズムが大事な馬。変にポジションを主張したりすると、力みが出て終いの伸びに影響するんだ。展開がハマるかどうかの面はあるけど、末脚勝負に徹すればいい脚を使える馬だからね。今回も当然、期待している”とは西浦師。前走と同じ舞台だけに、軽くは扱えませんよ」

持木「昨年のこのレースで３着だったヤングマンパワーは、以降はスランプが続いているとはいえ、良馬場での京都マイルは条件が合うと見るべきです。その昨年にコンマ１秒差２着だったエアスピネルとの力差も人気差ほどないはずですが、今年は早目に栗東入りしての調整で、昨年以上の走りも期待できると思いますよ」

細川「栗東滞在で結果を出すというのは、手塚厩舎お得意のパターンですし、ノドの手術明けとなりますが、しっかりと乗り込まれて力は出せるデキですね」

デスク「復帰後２戦が一息のダッシングブレイズだが、久々のマイル戦でガラリ一変はないのかな」

那谷「前走の金鯱賞は、勝ち馬が続く大阪杯も制したわけだから負けたのも仕方ないけど、内容的には完敗だったし、ここ２走の敗因が距離の可能性もあるとはいえ、ピークを過ぎた印象も否めないな。“若い頃と比べてゲートを出るようになっていますが、反面、年齢的なズブさも出てきましたね。開幕週の高速馬場に対応できるかどうか”と、浜中騎手のトーンも思ったほど上がってこないんだよ。ただ、今年の春の開催で芝が重かったことを考えれば、例年ほど高速化しない可能性もあるし、６勝を挙げているベストのマイル戦でポテンシャルの高さを見直す手はあるかもしれないな」

目黒「３戦連続２着と充実ぶりが目立つグァンチャーレですが、“坂のある阪神は少し苦手な印象だったけど、ここ２戦連続２着だから、本当に具合はいいんだろうね。元々京都の方が得意な馬だし、実際にこの条件でシンザン記念を勝っている馬だから”と、村田助手は満更でもない様子でしたね。ＧI好走組と比較すると、パンチ力不足の感は否めませんが、開幕週の馬場は自在性を存分に生かせる条件です。“いつも稽古は動く馬だけど、今回もいい動きだった。デキは良さそうだし、何とか賞金加算できないかな”とも。先行して一瞬の脚を使い切れれば馬券圏内に食い込む可能性はありそうですよ」

木谷「僕は、ブラックムーンの京都金杯で儲けた分がいつの間にか無くなってたので、ここはもう一度勝ってもらって…。でも前回はクルーガーと一緒に“ツキがクル”馬券だったんですが、今回はクルーガーいないんですよね…」

デスク「いいよなぁ、木谷は“儲けた分”があって…。俺は何もないところから、さらに何もなくなって…。そんな現状打破をモズアスコットで。木谷のブラックムーンと同じ枠だから、ここは馬券も枠で買って、道連れにしてやろうか」

木谷「道連れって…、ハナから来ないことを前提にしてません？」