直線1000mの適性「脱帽モノ」 ダイメイプリンセスが後輩を従えV
3戦3勝で直線女王の座に ダイメイプリンセス
開幕週の良馬場という舞台設定のせいか、直近の6年間は決着タイムが安定していて、54秒1から3の間にきれいに収まっていた。この時計を今年のメンバーに当てはめると、クリアしているのは1000万条件馬のレッドラウダのみで、しかもそれは2年前にマークした時計ということをふまえれば、今年はそれほどレベルの高い組み合わせではないと考えた。よって、コース経験のない馬にもチャンスはあるのではないかと。しかしながら、決着タイムは53秒8と、レコードにコンマ1秒と迫ったものであり、例年よりも幾分時計の出る馬場だとしても、けっして低レベルではなかった。
ダイメイプリンセスは、外枠から前に壁を作ってジックリと脚を溜め、ラスト2ハロン過ぎに密集する外から内に進路を切り替えて、鮮やかに抜け出したもの。秋山騎手の落ち着いた騎乗ぶりも見事だったが、直線1000mの適性をまざまざと見せ付けた形だ。稍重発表だったことを差し引いても韋駄天Sの54秒9が少し時計不足と思っていたのだが、その春よりもパフォーマンスを上げた走りは掛け値なしに強く、まさに脱帽モノであった。
2着ラブカンプーは、真ん中の8番枠からスピードの違いでハナへ。デムーロ騎手も全く躊躇することがなかったが、ハナへ行くまでにそれほど無理をさせなかったことで、最後まで脚が残っていた。51キロのアドバンテージも生かしたと言えるが、54秒0という近年の決着タイムを超える時計で駆けて負けたのなら、これは仕方ない。人気通りの決着とはいえ、見事な森田厩舎の親子丼であった。
3着ナインテイルズは、好枠から前で流れに乗れていたとはいえ、ここまで走ったのにはちょっとビックリさせられた。春の2戦で、勝ち馬にコンマ4秒差とコンマ6秒差で、今回もコンマ4秒差なら不思議はないとも言えるが、これまた春よりもパフォーマンスを上げられるだけの好状態だったと言える。
4着レジーナフォルテは、昨年の3着から着順を落とした形だが、斤量が3キロ増えたこともあったとはいえ、昨年ほど脚が溜まっていなかった印象を受けた。
5着ラインスピリットは、内目の枠からこの馬なりに脚を使って差を詰めていたが、時計面で限界のある馬だけに、ここまでが精一杯だったか。
ペイシャフェリシタは、なし崩しに脚を使わされた前走の反省をふまえ、今回は脚を溜めて運ぶ予定だったはずだが、大外枠からいつにない好スタートを切れたことで、鞍上に色気が出てしまったか。勝ち馬のような一旦息を入れる競馬ができなかったことが惜しまれる。
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