本当は怖かった 内田博好判断の逃げでグリムが重賞初V

佐藤直文 レース回顧
レパードS

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ダートの一流馬に育つ可能性も グリム

 コーナーのキツさや直線がフラットなことから、新潟ダートでは距離に関係なく先行有利が定説で、このレースにおいても昨年までの過去9回の連対馬18頭中、4コーナーで4番手以内の馬が14頭を占めていた。そういう性格のレースで、さらに今年のテンの3ハロン36秒6、1000m通過が61秒9という数字は過去最も遅いラップ。この数字になると知っていれば、差し馬に重い印を打つこともなかったのに、と後悔しても後の祭りである。

 グリムは、そのマイペースで逃げられたことが全てと言えるが、後続の目標となって直線で一旦は2着馬に並ばれてからが実に渋太かった。これは、2走前の青竜Sでも同じように2着馬を差し返していて、単に展開に恵まれたのではなく、テン乗りながら馬の特性を見抜いて御した内田博騎手の好騎乗だったと言える。前走のユニコーンSもそうであるが、過去のダートでの敗戦はいずれもモマれて力を発揮できなかったものであり、今日のようなスムーズなレースを自分の型として確立できればダートの一流馬に育つ可能性も十分ある。

グリム

5番人気のグリム(右青帽)がまんまの逃げ切りで重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ヒラボクラターシュは、好位で流れに乗って直線では勝ち馬の二枚腰に屈したとはいえ、3着以下には3馬身の決定的な差を付けていた。ここ2走の内容からは、驚きを感じえない激走だったが、キツいラップで先行した前走の経験が生きたと言えよう。

 3着ビッグスモーキーは、前々で運んで自分のポジションを守った形だが、芝よりもダートの方がいいということはハッキリしたと言える。

 4着ドンフォルティスは、道中は中団のインで運んで4コーナーでも上手く捌いて外へ持ち出せたが、伸びは今一つ。もう一列前の位置が欲しかったところだ。

 5着アルクトスは、絶好位で運んでいたことを考えれば少々物足りない内容で、まだ力不足だったと言うことか。

 グレートタイムは、今日の流れでは届かない位置取りだったことは確かだが、前半の行きっぷりが悪く、仕掛けられてからも本来の伸びがなかった。ユニコーンSからJDダービーを使ってここ、というのは、決して強行軍とまでは言えないとはいえ、使い詰めで状態面での上積みに乏しかったと言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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