探し求めて2年ぶりの美酒 好騎乗に導かれロードクエスト

佐藤直文 レース回顧
スワンS

断然人気馬を捉えて復活V ロードクエスト

 マイルCSを目指す有力馬たちが先週の富士Sに集結したこともあってか、春秋マイルGI制覇を目指すモズアスコットにとってはかなり与しやすしのメンバーだった。単勝1.3倍という断然の支持も納得できるものであったが、ハナ差負けという結果自体は、馬がどうこうの問題ではなかったろう。

 ロードクエストは、近走では三浦騎手がスタートからある程度出して行く競馬でそれなりの結果を出していたが、デムーロ騎手には全くその気がなく後方でジックリと脚を溜める形。直線でもモズアスコットを目標にしっかりと伸びて、嬉しい2年ぶりの復活Vとなった。京都外回り1400mという舞台もこの馬には合っていたと思えるが、何より今日の勝利はジョッキーの腕。先週の菊花賞ではハナ差に泣いた鞍上が、同じ相手にキッチリとハナ差で借りを返して意地を見せた一戦だった。

ロードクエスト

3歳9月京成杯AH以来の勝ち星をあげたロードクエスト(橙帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着モズアスコットは、仕上りは8.5分といったところで、直線で追い出されてからの反応が一息だったのは休み明けの分だったろう。それでも勝たなければならないメンバーであったことは確かだが、今日のところは仕方なく、次の大目標に向けて不安を残す内容ではなかった。

 3着グァンチャーレは、好位で流れに乗っての積極的な競馬で見せ場を十分に作ったが、上位2頭とは決め手の差。ここまでが精一杯だったか。

 4着ベステンダンクも、好位から早目の競馬だったが、結果的には逃げても良かったはず。3着馬同様に、決め手勝負になると分が悪い。

 5着コウエイタケルは、4着から3馬身半離されたもので、重賞で勝ち負けになるほどの力はないと言える。

 レーヌミノルは、押し出される形でハナを切り、今日の流れなら押し切ってもおかしくはなかったはずだが、太目残りで失速した形だ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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