完全に違ったポテンシャル サートゥルナーリアが来春の主役へ

佐藤直文 レース回顧
ホープフルS

チャンピオンズC「54万1500円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

ミルコの手でまたも無敗の王者出現 サートゥルナーリア

 前半1000m通過62秒5は、GI元年の昨年との比較でも3秒近く遅い超スローペースとなった。デビューからこの距離を睨んで使われてきた馬も多いせいか、その割には極端に折り合いを欠く馬は見られなかったが、やはりペースの緩急への対応は、現時点での完成度が問われるもの。次元の違った勝ち馬を除いては、その差が出たように思う。

 サートゥルナーリアは、出走馬唯一の二桁増となったプラス12キロでも全く太くは見せない好馬体。スタートを決めてスタンド前では先頭に立つシーンもあったが、その後は折り合って途中から逃げ馬の直後にポジションに収まり、いつでも前は交わせるという鞍上の自信が窺えたレース運びだった。直線ではやや強引に前をこじ開ける形となったが、間を割る脚の速さは、完全にポテンシャルの違いを示すもの。これで兄のエピファネイア、リオンディーズに続いてのGI制覇となったわけが、2頭の兄が抱えていた気性難も見せずに操縦性の高さも示したことを考えれば、クラシックへ向けて前途洋々となったばかりか、兄たち以上の大成も十分可能だろう。

サートゥルナーリア

操縦性の高さも示したサートゥルナーリア(青帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アドマイヤジャスタは、勝ち馬をピタリとマークする形で運んで、勝負どころからそれを内に閉じ込めた上で先に動いて勝ちに行く競馬。完璧に近いレース運びではあったが、性能の違いを見せ付けられた今日のところは仕方のない2着だ。前述したように、現時点での完成度の高さは十分に示したと言えよう。

 3着ニシノデイジーは、レース序盤こそ逃げ馬の直後をキープできていたが、途中で勝ち馬に前に入られたことで位置取りが悪くなってしまったもの。そこまでキレる馬ではないだけにそのロスが痛かったと言えるが、最後に3着に浮上できたのはやはり完成度の高さゆえだろう。

 4着コスモカレンドゥラは、誰も行かないのなら、という感じで鞍上が内を見ながらハナに立つ形。道中も絶妙のペースに持ち込んで、持ち前の渋太さを生かし切った。

 5着ブレイキングドーンは、道中は馬群で懸命に宥められての追走だったが、3コーナー手前から馬の行く気にも任せて動いて行き、直線を向いた時点では先頭に立つシーンも。早目に動いて最後こそ伸びを欠く形となったが、これはまだ完成されていない分であり、先々は十分に期待できる馬だ。

 ヴァンドギャルドは、ペースを考えれば道中の位置取りも厳しかったとはいえ、直線の残り1ハロンで受けた不利がなければ、ひょっとしたらと思わせた走りだった。これまた馬体は良く、今後の伸びしろに期待できそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

チャンピオンズC「54万1500円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

チャンピオンズC「54万1500円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

有馬記念特集

2024年有馬記念特集

有馬記念の結果、動画、出走馬一覧、単勝オッズ、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、歴史などを紹介する特集ページです。出走馬一覧には、単勝オッズやデータを合わせて掲載。

  • 予想オッズ
  • 想定騎手
  • 有馬戦績
  • 優勝馬名
  • 優勝騎手名
  • レース動画

優馬 2歳馬チェック

優馬 2歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週月曜か火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。