誰よりも癖を知る松若Jに導かれ ダンビュライトが混戦を制す

佐藤直文 レース回顧
京都記念

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文句の付けようがない騎乗 ダンビュライト

 確たる逃げ馬が不在のメンバー構成だったにしろ、タイムフライヤーがハナを切るという展開は、ちょっと読めなかった。3ハロン目から5ハロン目まで13秒台のラップが続いての1000m通過63秒3という超スローなら、そのまま逃げ切っても不思議ではなかったのだが…。

 ダンビュライトは、この組み合わせならハナへ行く選択肢もあっただろうが、巧く好位で運べたのが最大の勝因。これで松若騎手とのコンビで3戦3勝となったわけだが、レースでの騎乗機会は少なくても自厩舎の馬で癖は掴んでいるのだろう。実に文句の付けようがない騎乗ぶりだった。

ダンビュライト

6番人気ダンビュライト(馬番8)が重賞2勝目のゴール(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ステイフーリッシュは、スローの瞬発力勝負になったことを考えれば、勝ち馬のポジションで運んでの4角先頭が理想だったか。それでも、ここ数戦の安定ぶりは評価に値する。

 3着マカヒキは、自分の競馬に徹したことで決して流れが向かなかったことと、プラス10キロの重目残りだったことを考えれば、復調を示すレースぶり。この先どこかで完全復活のチャンスはあるはずだ。

 4着パフォーマプロミスは、好位で巧く立ち回っていたが、最後に伸び負けた形。年齢的にもここまでが精一杯だったかもしれない。

 5着ケントオーは、スローだったことで流れに乗れていたが、ペースが上がった勝負どころでポジションが悪くなったもの。最後は盛り返してきたが、ここでは力の差があったか。

 タイムフライヤーは、スタートが良すぎたことで図らずもハナを切る形となったが、いくらスローでも逃げた経験のない馬には厳しい展開だったか。ノーブルマーズは、自分の競馬ができていたように思えたが、見せ場すら作れなかったあたりは、デキ自体が下降気味だったのではないかと思われる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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