盾でも注目ショウナンパンドラ 20年ぶり牝馬のワンツー決着

佐藤直文 レース回顧
オールカマー神戸新聞杯

まんまと逃げ切って 本番最大の惑星へ 【神戸新聞杯】

 前半1000m通過が62秒4のスローペース。最初の2ハロン目を除けば、11秒台のハロンラップが1800m通過まで現れないという流れを味方に、リアファルがまんまと逃げ切った形だ。ただ、上がり3ハロンの34秒1は、最速だったリアルスティールよりコンマ1秒遅いだけだったものであり、好位から運んでいたとしても楽に勝てたと思える数字。本番の菊花賞ではマークされる立場となるだろうが、これだけ末脚もしっかりとしているのなら、期待できるはずだ。

リアファル

後続を完封したリアファルは菊花賞でも怖い存在(撮影:日刊ゲンダイ)

 リアルスティールは、スタートから1コーナーにかけて激しく頭を振っていたダービーほどではなかったにしろ、序盤に少し掛かり気味。折り合い重視で控える形となったのも仕方なく、今日の流れでは届かなくて当然だった。ただ、トライアル仕様の仕上げで、距離的な不安も見せないレースぶりだったことから、本番へ向けての始動戦としては合格点を与えていいだろう。

 3着トーセンバジルは、ペースを考えれば絶望的な位置取りから、馬群を縫うように伸びて菊花賞への切符を手に入れた形。ただ、距離的にはこの位がギリギリという印象も受け、今回の上位2頭を本番で逆転するのは難しそうだ。

忘れずに買おう 次走の注目馬

 次走の注目馬だが、今週は都合により私のダブルセレクトで。まず一頭目は、中山日曜8R、4着ドラゴンスパン。直線で狙った進路が塞がって完全に脚を余したもの。東京に替われば500万はアッサリ勝てるはずだ。

 二頭目は、中山土曜9R、8着ポトマックリバー。出遅れは仕方ないにしろ、遅い流れを後方から運び、勝負どころから外を回って追い上げる最悪の形。前走の500万勝ちの時のように、もっと積極的に運んでいれば結果も違ったものになっていたはずで、この一戦では見限れない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。