キセキは支持伸びず　◎の数でレイデオロと並んだ「対照的な馬」とは…

残るＧI馬たちにも　当然チャンスあり

デスク「そういう田崎は、同じ友道厩舎の先輩格マカヒキに◎ときたか。３年前のダービー馬とはいえ、凱旋門賞の惨敗以降は勝ち星すらない馬だけど…」

田崎「マカヒキは、年齢を重ねるごとに脚の使いどころが難しくなっている印象を受けますが、前走の大阪杯の内容を見ても復調は明らかですよ。終わった馬、と判断すると、痛い目に遭うんじゃないでしょうかね」

伊利「マカヒキは、最終追いの坂路で５０秒６の好時計をマークしましたが、これは弥生賞勝ちの前に出した自己ベストを３年４ヶ月ぶりに更新したものなんですよ。田崎さんも言うように、直線で進路を外へ切り換えるロスがありながらゴール前の伸びが目立った前走からも、復調が見て取れましたし、最も輝いていた時期の走りを取り戻す可能性も十分あります」

市場「昨夏以降は軽目の調整が続いていましたが、前走あたりから少しずつ調教でも負荷をかけられていて、間隔はあきましたが在厩でじっくり乗り込まれた今回が一番好感の持てる調整でしたね。僕もマカヒキの復活に賭けてみます」

那谷「前走の大阪杯では上がり最速をマークしたわけだけど、これはデビューから４戦連続で上がり最速だった皐月賞以来のことだったんだ。担当の大江助手も“骨折明け以降では最高の状態でした”と、振り返っていたけど、今回は“前走より更に良くなっています”とのこと。若い頃はいかにもキレ味鋭いディープ産駒、といった印象だったけど、筋骨隆々の体つきになってパワーを身に付けた今なら、雨が降れば出番があるんじゃないかな。予報の傘マークは消えてしまったけど…」

３年前のダービー馬マカヒキは輝きを取り戻せるか（撮影：日刊ゲンダイ）

持木「僕はその大阪杯を勝ったアルアインのＧI連覇に期待します。以来の約３ヶ月ぶりとなりますが、この馬も先週の坂路で自己ベストをマークしているように、前走時と変わらぬ好状態だと思いますね。今回の２２００ｍでは、人気のレイデオロと共にクビ差で１勝１敗と、互角の戦績ですし、距離も守備範囲と言っていいですよ」

那谷「アルアインの大阪杯は、内枠からロスなく運べたことが大きかったと言えるけど、阪神のみならずコース形態の似た中山を合わせても全て馬券圏内だったことを考えれば、９番人気は詰めが甘いイメージも災いして不当に人気を下げていた嫌いはあるよ。極悪馬場の菊花賞で大敗したことからも、雨は割り引きと考えて印は下げたけど、降らないのなら評価を上げないといけないかもな」

吉田「さっき西田さんからキセキのジャパンカップを評価すべきとの発言がありましたが、３着だったスワーヴリチャードにも同等の評価を与えてエエんとちゃいますか。アーモンドアイには完敗したとはいえ、楽にハナを切ったキセキに対し、こちらはスタートでダッシュが付かず、位置取りや展開の差だけやったんやないかと…。もう一頭の人気馬レイデオロには、前走のドバイで先着しているのなら、ここまで人気に差が付くのはどうかと思うんですわ。あとは、中山記念の時が太目残りだったので、５１０キロ台で出走して欲しいです」

那谷「スワーヴリチャードは阪神で３戦２勝、２着１回と、抜群の好相性だけど、勝った昨年の大阪杯はミルコの神騎乗に助けられたもので、むしろ適性としては２２００ｍのここの方が高いと思うんだ。というのも、ゲートが不安定だから、１コーナーまでの距離がある２２００ｍの方が挽回も利くし、瞬発力勝負にもなりにくい舞台だからな。２週続けて追い切りに跨いだミルコは、かつてのパートナーだった“キセキはかなり強い”としながらも“キセキを見ながら運びたいので外目の枠を引きたい。うまく噛み合えばチャンスはある”と。その枠順の願いも叶ったのなら、軽くは扱えないよな」