これが世界の底力 エアロヴェロシティの強さに脱帽

佐藤直文 レース回顧

大接戦の結末はピンクの帽子2頭 【マーチステークス】

 是が非でもハナへ、という馬が不在だったにもかかわらず、思った以上に速い流れで、レースの上がりも38秒2と要した。勝ったマイネルクロップは、道中流れに乗りながら脚を溜め、そういう差し馬向きの展開を生かし切った形だが、直線で馬群をこじ開けた丹内騎手(これがJRA重賞初制覇!)の好プレーも光った。

 2着イッシンドウタイも見事にハマったもの。得意の中山コースで、平均以上の流れになれば、このくらい走って当然だ。

 3着マスクトヒーローは、道中3番手から、展開を考えれば一番強い競馬。今回が、初の重賞出走であったが、力は十分足りることを示した。

 4着キクノソルも、けっして楽な流れではない中での善戦。もう少しペースが遅ければ、マスクトとのワンツー決着もあったかもしれない。

忘れずに買おう 次走の注目馬

 中山日曜2R、6着ブラッシングスターは、走りっぷり自体は悪くなかったが、最後に止まったのはまだ馬体が太かった分。絞れてくればもっとやれていい馬だ。

 阪神日曜12R、5着ヴィッセンは、いい手応えで直線を向いたが、何度かブレーキを踏むシーン。久々を叩いた効果もある次走は、注目したい。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。