武豊が満点騎乗でアシスト「デットーリの代打とは思えぬ」

佐藤直文 レース回顧
デイリー杯2歳S

忍者のごとく内からスルリ レッドベルジュール

 前半3ハロンは35秒3と、そこまで速い流れではなかったが、3コーナー手前から好位勢が早目に動いたことで一気にペースアップ。結果的には4コーナーを馬群の後ろで回った2頭に流れが味方したと言える。

 レッドベルジュールは、出負けしたこともあって道中は後方でジックリと構える形。4コーナーではちょうど外の位置にいた2着馬が壁となり、そのままインをつく形となったが、追われての反応が他馬とは一線を画していた。予定していたデットーリの代打騎乗とは思えぬ、レジェンド武豊の満点騎乗でのアシストがあったとはいえ、暮れのGIに向けて楽しみな馬がまた一頭生まれたと言えよう。

レッドベルジュール

ディープ牡駒レッドベルジュールが内から抜けてV(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ウイングレイテストも、勝ち馬同様に後方でジックリと脚を溜め、直線では馬群を割って力強く伸びた。松岡騎手がかなり素質を勝っていた馬だが、久々での馬体増でこれだけ走れば本物だ。距離ももっと延びていいタイプだろう。

 3着ペールエールは、2番手から前を見ながら流れに乗れていたが、内から早目に仕掛けたサクセッションとともに動く形。その分だけ最後に伸びを欠いてしまったが、悲観すべき内容ではないだろう。

 4着トリプルエースは、直線で外へ持ち出してそれなりの脚を使ってはいたが、距離はマイルがギリギリか。1200mか1400mが現状ではベストだろう。

 5着ライティアは、ジリジリと脚は使ったが、姉のシンハライトとは少し違うイメージの馬か。さらに減って408キロとなった馬体の成長も待ちたいところだ。

 サクセッションは、早目に動いたというよりも抑えが利かなかった形で、このあたりが今後へ向けての気性面の課題であろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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