優馬編集長日誌 3月10日号「素晴らしいレース」

優馬編集長日誌
弥生賞中山牝馬S

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上には上がいた

 先週の弥生賞は見逃したら悔しくなるほどの素晴らしいレースだった。下馬評通り 3強が1、2、3着。3着のエアスピネルは2戦目のデイリー杯2歳Sの勝ちっぷり(高UK値)からGI戦線での活躍が確定的とみていた馬だが、そのエアスピネルを昨年暮れの朝日杯FSで差し切ったのが2着だったリオンディーズ。血統的に気性がどうかと感じる面もあるが “普通に走れば しばらく負けないのでは。怪物が現れた” と朝日杯FSを勝った時に思った馬だ。

 そして今度は そのリオンディーズを差し切る馬が現れた。上には上がいるというが、まさに そんな印象の弥生賞。勝ったマカヒキは以前、当サイトの皐月賞馬とダービー馬候補を予測するアンケートで皐月賞候補に名前をあげた馬だが、当時は1戦1勝。皐月賞で1番人気にはならないかな?と思って、色気をもってあげた馬だった。それが この弥生賞で1番人気の有力候補の一頭に。嬉しくもあるが少し悔しさも感じているような…。騎乗していたルメール騎手にはマカヒキと同じく3戦3勝のサトノダイヤモンドもいる。皐月賞はサトノの方だという話も聞いたが、両馬の皐月賞の騎乗者が どうなるのかも興味深い。

マカヒキ

3強が好レースを演じた弥生賞(撮影:日刊ゲンダイ)

 弥生賞だけでなく、先週は16年ぶりのJRA女性騎手=藤田菜七子ジョッキーでも競馬が沸いた。騎乗した中山競馬場における入場者数は土曜日が前年度の124%、日曜日が116%。JRA初騎乗となった土曜2Rの売り上げが次の3Rより多かったのだから、入場者だけでなく彼女のおかげで馬券も売れたということだろう。そういえば、どこかで経済効果は数十億円などという記事も目にした。

 注目のJRAデビュー戦は2着。厳しいだろうと思われていた馬を馬券圏内にもってきたのは “そういう星の下” でもあるのか。マスコミが初勝利はいつ?と騒ぎ立てていることがプレッシャーにならなければいいが…。だが、注目されなければ それはそれでアスリートとしては寂しい。プレッシャーを はねのけて、早く初勝利をあげてもらいたい。

上田一幸

筆者:


1967年、滋賀県生まれ。大学卒業と同時に入社し、一貫して編集畑を歩む。予想も馬券も徹底した穴狙い。この仕事に携わる以上、馬券購入は義務であると考え、入社以来、馬券を休んだ日はない。現『優馬』編集長。

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