優馬編集長日誌 6月16日号「ユニコーンSに芝経験は必要?」

優馬編集長日誌
函館スプリントSユニコーンS

ダート王の決定戦だが…

 今週は東京で “春の3歳ダート王” 決定戦、ユニコーンSが行われる(19日)。3歳馬の芝の方は2週前のダービーで “ひと段落” といったところだが、今度はダート。さすがに決定戦だけあって、好走した馬の ここまでのダート戦績は素晴らしい。過去10年の連対馬20頭のうち、ダートの勝率が50%を切っていた馬は2頭だけ、ダートの連対率が50%を切っていた馬は1頭だけ。ダートの複勝率が50%を切っていた馬はいない。また、ダートの勝率が100%だった馬が6頭、ダートの連対率が100%だった馬は10頭。ダートの複勝率が100%だった馬にいたっては過半数を超えて12頭もいた。データからは、ダートで馬券圏外の多い馬は割り引きということになる。

 ダート戦だからダートの戦績に注目するのは当然のことだが、ここでは好走馬たちの芝経験についても触れておこう。というのも、同じく過去10年で調べてみると、勝ち馬10頭のうちデビュー戦が芝だった馬が半数の5頭。同じく芝がデビュー戦だった馬は2着馬に5頭、3着馬には8頭。デビュー戦に限らず、芝経験があった馬とした場合、勝ち馬は6頭が該当、2着馬は8頭が該当、3着馬は9頭が該当する。つまり、好走馬の約半数は芝でデビュー、好走馬の大多数は芝のレースを経験していたことになる。

 ユニコーンSに芝経験は必要なのか。考えてみると日本の競馬はアメリカと違って、芝>ダートの位置付け。能力のある馬、期待している馬は、たとえダート巧者と予測がついていても芝を試してみたくなるのだろう。結果的にダート巧者だとしても、一度は芝を試されるのが素質馬ということなのかもしれない。加えていえば、ユニコーンSは芝からの発走となる東京ダート1600m。このことからも、芝経験はあるに越したことがない?

 ダート実績、芝経験だけで予想をするわけではないため、まだ紙面の◎は決めかねているが、参考のために登録馬から “ダート複勝率100%、かつ芝経験がある” 馬を抜粋しておくと、グレンツェントスミレピュアコンチェルトモンスターキングとなる。除外される馬も多そうな状況なので、これらの馬が出走してくるかは現段階では分からないが、グレンツェントは3、4走前のダート戦が高UK値。スミレは前走のダート戦か高UK値。出走してくれば、この2頭には印を打つつもりだ。

グレンツェンド

芝経験あり、さらに高UK値を二度叩き出しているグレンツェンド(奥桃帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

上田一幸

筆者:


1967年、滋賀県生まれ。大学卒業と同時に入社し、一貫して編集畑を歩む。予想も馬券も徹底した穴狙い。この仕事に携わる以上、馬券購入は義務であると考え、入社以来、馬券を休んだ日はない。現『優馬』編集長。

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