「本当に良馬場なの?」 ファンの疑念を晴らすべく、進む馬場の情報公開

馬声人語

馬場状態の更なる細分化が必要

 何故、含水率の発表を希望するのかというと、JRAの発表する馬場状態が4種類しかないからだ。「良・稍重・重・不良」の4つで構成されているが、良馬場といってもパンパンの良馬場と稍重に近い良では全く性質は違う。これを一纏めに「良」と発表してしまうのは不親切ではないだろうか。ちなみに、諸外国では馬場状態の表現は日本よりずっと多い。フランスでは10種類ほどに細分化されている。もし、含水率の発表が難しいのならば、馬場状態の表現をもっと細分化して、馬券を買う人へしっかりとした判断基準を提示すべきであろう。その際には、JRAとしてどの馬場状態を狙って管理しているか、標準の状態としてどの馬場状態を想定しているのか、という部分も示さねばならないだろうが。

忘れてはいけないのが「馬場は生き物である」ということ

 最後に忘れてはいけないのは馬場は生き物であるということ。どんなに徹底した管理をしていたとしても、想定外の降雨があれば一瞬ですべてが狂ってしまう。想定外の事象がなかったとしても、思った通りにならないこともある。諸外国と違って通年開催である日本の競馬スケジュールを考えれば、人の手を入れて管理しなければ馬場は維持できない。故に、現在もそうではあるが、その人の主観で構わないからジャッジをして発表をして頂きたい。馬場状態という我々には判断のしづらい事だからこそ、頼れる指針が必要なのである。