鮫島駿の好プレーでカデナ 9着ヴェロックスは「元値が違うはず」だったが

佐藤直文 レース回顧
小倉大賞典

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鮮やか差し切り3年ぶりの美酒 カデナ

 1000m通過60秒3のラップは、開催6週目の荒れた馬場を考えれば適度な流れ。脚があればどんな位置からでも、と言える競馬だった。

 カデナは、いつも通りの後方からジックリと構える形だったが、道中は枠なりにインをロスなく運んで、4コーナーで巧く外へ持ち出す鞍上・鮫島克駿Jの好プレーが光った。11着と敗れた前走の中山金杯でも上がり3ハロンはメンバー最速だったように、ラストは確実にいい脚を使える馬であり、一見不利に思える小回りの小倉でも、持ち味を最大限に引き出す好騎乗であった。

 2着ドゥオーモは、この小倉だけで3走目、しかも連闘での格上挑戦と、買いの材料は乏しかったが、52キロの軽ハンデを利したとはいえ、目下の状態がよほどいいのだろう。時計のかかる馬場も良かったと言える。

 3着ジナンボーは、正攻法の競馬で今日の流れを考えても負けて強しと言える内容。馬体は20キロ増えていたが、早目に小倉に滞在しての調整だっただけに、これくらいが丁度いいのかもしれない。

 4着レイホーロマンスは、51キロの軽ハンデもあったが、7歳牝馬として今回もまた頭が下がる走りだった。

 5着アウトライアーズは、4コーナーで前にいた勝ち馬には一気に離されたが、ジリジリと脚を使っていた。今日のような競馬を続けていれば、どこかでチャンスもありそうだ。

 ヴェロックスは、これまでの走りを振り返ってみても、時計のかかる馬場やモマれる競馬がそうマイナスになるとは思えず、何よりたとえそのあたりがマイナスになったとしても元値が違うはず。今日のところは全く別のところに敗因がありそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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