アカイトリノムスメ 国枝師「最後の一冠を獲らせてあげたい」-アパパネの娘で挑むその胸中とは-【秋華賞】
スプリンターズS時の優馬紙面のコラム「るるぷ美浦」では、今年のスプリンターズSには関東馬の出走がゼロで寂しいものだという内容を書いたが、秋華賞では8頭の関東馬が出走し頭数でいえば「五分五分」になる。そうなると、やはり美浦トレセン内の取材陣の熱も自然と高まり、個人的にも楽しみな一戦となった。自分の担当厩舎からは、アカイトリノムスメ(美浦:国枝厩舎)とホウオウイクセル(美浦:高柳瑞厩舎)が出走する。
まずアカイトリノムスメについては、オークス直後から国枝師は悔しさを滲ませて話していた。
「道中はいいところに収まっていたし、折り合いも付いて手応えもあったので『これなら!』と思っていたが、直線に入ったところで前が壁になって追いづらい場面があった。外から伸びてきたユーバーレーベンもいい脚を使っていたけど、着差もそうなかったしスムーズならと思っちゃうよね」
その敗戦からひと夏を越し、9月10日にトレセンに帰厩。そこから毎週、具合などを聞いてきたが、
「馬体重は春と同じくらい。もっと幅が出て欲しいというのは変わっていないが、まぁこういう体型なのかな。それでも母のアパパネより中距離向きの体つきだし、順調に予定通りのメニューをこなせたので仕上がりもいいよ。桜花賞馬もオークス馬も出てくるが、最後の一冠だけでも獲らせてあげたいよね」と抱負を語ってくれた。
春は牝馬ながらダービーに挑戦し、秋は秋華賞を目標にしていた僚馬のサトノレイナスは故障のため休養を余儀なくされたが、その分までアカイトリノムスメには最後の一冠獲りへ向けて頑張ってもらいたい。
もう1頭のホウオウイクセルのほうは、紫苑S時に「馬体重が増えて随分シッカリした」と高柳瑞師が言っていたように、パドックではプラス24キロで登場。しかし、まったく太目ではなくいい体つきになっていたので期待を持って見ていた。しかし、スタートで大きく出遅れ思わずため息…。開幕週の馬場では致命傷だった。
「元々、ゲート内でうるさい面があったし、やや落ち着きもなかったのでそれが影響したのかな。でも中間はゲート練習を積んで、そこでは大丈夫だし一度使って落ち着きも出てきた。馬体重が減らなくなっていて本当に状態はいいし、相手は強いがひと雨降って上がりがかかってくれれば」
と期待は持っていた。
同厩舎のスタッフにも話を聞いてみたが、
「春とは馬が全然違う。間違いなく上積みはあるし、あとは普通にゲートを出てくれるのを祈るのみ。通用してもいいと思っている」
とやはり好感触だった。
やや外目の枠を引いてしまったが、巧く内に入れてフラワーCのときのようにインベタを回ってこれれば浮上してもおかしくない。
前田(競友)
11/23(土)東京10R
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