「ベスポジ」取れたカフェファラオ 取れなかったレッドルゼル、アルクトス

佐藤直文 レース回顧
フェブラリーS

これが王者の走り 東京では譲れなかったカフェファラオ

 脚抜きの良い重馬場のダートでのタイレコード決着となった中で、半マイル46秒8、1000m通過59秒2のペースはそこまで速いものではなく、昨年同様に外を回って追い込む馬にとっては厳しい流れだったと言える。

 カフェファラオは、その昨年とほぼ同じ位置で、人気的にもライバルと目されたレッドルゼルやアルクトスよりも前で運び、あとは普通に気分よく回って抜け出したものであり、ベストポジションを取れたことが最大の勝因だったろう。このレースを目標に復調していたのは確かだが、少なくとも東京マイルでは王者の走りができる馬。近走のように揉まれる競馬でどうかはまだわからないとしても、復権をアピールする内容だった。

カフェファラオ

正攻法で抜け出した2番人気カフェファラオが連覇を達成

 2着テイエムサウスダンは、抜群のスタートを決めて序盤こそ内の先行馬を見ながら運んでいたが、ペースが緩いと見るやハナへ行ったのが大正解。ベストはあくまでも1400mの馬だが、今日の流れならマイルも十分にこなせたと言える。

 3着ソダシは、今日はハナへ行く気がなく好位で気分良く走らせる策だったが、勝ちに行くのならせめて4角先頭のポジションが欲しかったところ。ただ、軽めのダートであれば牡馬のトップクラスが相手でも十分に戦えることを示した。

 4着ソリストサンダーは、ポジションを取りに行って道中も勝ち馬を前に見ながら運べていたが、やはり道中で脚を使う形ではここまでが精一杯だったか。

 レッドルゼルは、距離を意識してかあまり前へ行けなかったことが最大の敗因だろうが、やはり1400mまでの馬かもしれない。アルクトスは、もう少し強気の競馬をして、できれば勝ち馬のポジションが欲しかったところ。本来は高速ダートを得意としている馬だけに、正攻法なら違った競馬になったかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。