◎リアアメリア勢への反論多数「出遅れブン回しが…」「今年はハーツクライ」

リアアメリア＆クラヴァシュドール　究極の同厩対決

デスク「ここは２歳牝馬の女王が決まると同時に、同じ舞台で行われる来春の桜花賞へ繋がる一戦だが、前哨戦は使い分けた形の中内田厩舎勢２頭が人気を集めそうだな」

佐藤直「リアアメリアのアルテミスＳは、内有利の馬場に加えてのスローペースを、大外を回って差し切ったものだからな。当時のレース回顧にも書いたけど、これはちょっとモノが違う印象を受けたぞ」

坂倉「流れとしては完全な前残りでしたからね。着差はそれほどでもなかったですが、久々でプラス２０キロの馬体を考えても、相当な力を示したと言えますよ。一叩きされて、ド肝を抜かれた新馬戦と同じ舞台なら、間違いなく勝ち負けでしょう」

市場「正直言って、リアアメリアの前走は“大丈夫か”という位置取りでしたからね。まだ馬体も気性も幼さを残し、少頭数の競馬しかしていない点に一抹の不安はありますが、それを割り引いても◎は譲れませんよ」

田崎「スタートや折り合いなどの課題を残しながらも勝ったことは、大いに評価すべきでしょう。多頭数についても、レースが流れることを考えれば、むしろ競馬もしやすくなると思いますけどね」

桜井「ここはＧIで相手のレベルも上がりますが、順調度の面でも他の有力馬を一歩リードしていますよ」

小桧山「当然、最大のライバルは同厩のクラヴァシュドールになるわけだけど、まだ負けていない点、鞍上、ノーザンファーム生産馬、と、どれを取ってもリアアメリアの方が上だからな。唯一劣っているのが新馬の勝ち時計だけど、野芝のみの９月の阪神は６月と比べて１秒半は速いことを考えれば、これまたこっちの方が上と見ていいだろう」

デスク「２頭の比較という点では、厩舎担当の加茂の印も気になるところだが、やっぱり◎はリアアメリアか」

加茂「過去２戦とも出遅れて、競馬をしたのは最後だけやったけど、これは気が悪いわけではなくて、陣営に言わせると“走りに遊びや余裕がある”とのことなんや。本来は学習能力の高い馬で、川田騎手も惚れ込む素材。個人的には昨年のこのレースを勝った同厩のダノンファンタジーよりも上や思うてますし、今年も２歳女王はこの厩舎から出るはずですわ」

追い切りでの動きも上々だったリアアメリア（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「一方で、本紙担当は東西ともにクラヴァシュドールを支持したわけだな」

須藤「もちろんリアアメリアの破壊力は素晴らしいですが、出遅れて大外をブン回す競馬しかしていない点は、やはり多頭数で不安が残りますね。対して、クラヴァシュドールは、前走で敗れたとはいえ牡馬の大物に迫った内容が優秀でしたし、スムーズに折り合って追っての反応も抜群と、現時点での完成度で上回っていると判断しました」

武井「前走は速い時計の出る馬場だったとはいえ、クラヴァシュドール自身も従来のレコードより速いタイムで駆けたんですから、既にＧIレベルのポテンシャルは示したと言えます。ただ、惜しむらくはスタート後に位置を下げて勝ち馬に好位を譲ったこと。あそこで譲っていなければ、上がりの数字を考えても着順が変わっていた可能性すらありますし、それだけの馬だと思いますね」

西田「過去２戦とも上がりは最速をマークしているように、立ち回りの巧さに決め手も優秀とくれば、牝馬同士なら逆らえないように思います」

久光「何より前走は牡馬相手に勝ちに行く正攻法の競馬でしたからね。３着以下には決定的な差も付けましたし、勝負を挑んだ相手が来週の朝日杯で主役を担うサリオスなら、どの前哨戦よりも価値が高いと判断すべきです。このコースでの新馬戦でも抜群の脚で楽勝している経験の差も大きいと思いますし、今年はハーツクライの当たり年ですよ」

吉田「クラヴァシュドールは、トビが大きくて線も細く映る馬体を考えれば、正直、能力全開の舞台はオークスとちゃうやろか、と個人的には思います。ただ、この馬には不利な超スローにはなりにくいレースですし、マイル戦でも女王の座を射止めることができるはずです」

那谷「同じ厩舎のリアアメリアに比べて、クラヴァシュドールは、ゲートや折り合いなど完成度で上回っているわけだし、キレ味でも決してヒケは取らないと思うぞ。単勝人気では少し差が付きそうだし、配当面の妙味も考慮すれば軸はこっちだろ」

加茂「粗削りのリアアメリアに対して、クラヴァシュドールのセールスポイントはレースセンスの良さ。いいポジションに付けて、終いもしっかりと脚を使えるのは大きな強味やしね。タイプの違う２頭が、どんな競馬をするのか、陣営も楽しみやろな」