ロシアのドーピング問題を受けて「競馬と薬物」を考える
ドーピング問題に揺れる陸上界
ここ最近のスポーツ界のセンセーショナルな話題といえば、プロ野球界における賭博問題があったが、国際的な話題で言えばロシアのドーピング問題だろう。世界反ドーピング機関の独立委員会によって、ロシアが陸上競技において組織的なドーピングを行っていたとする報告が大きく取り上げられた。事はドーピングの隠蔽工作に係わる汚職の捜査にまで広がりを見せようとしており、ロシアの陸上界が国際大会へ参加することが不可能になる可能性も出てきた。
世界基準を作ることの難しさ
競走馬における薬物の問題でよく取り上げられるのが、アメリカにおける「ラシックス」の問題。鼻出血の予防に効果があるとされているが、ある報告では真逆の効果も出ていたりもして、実際のところはよく分からない。また、薬物とは別ではあるが、昨年の米二冠馬カリフォルニアクロームが来日を断念した理由が「ネーザルストリップ」の使用が許可されなかったことだった。ネーザルストリップとは競走馬の鼻腔を広げ鼻出血のリスクが軽減できる可能性があるといったものだが、日本ではレースで使用することは認められていない。降着・失格のルール変更の際にも感じたことではあるが、世界の基準というものが非常に曖昧でバラバラだったりするので、それにどう合わせるか、どう合わせてもらうかが国際競走を成功させるために必要な要因のひとつであると言える。
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