戸崎圭が最高の騎乗 昨年の反省生かしたチュウワウィザード

佐藤直文 レース回顧
チャンピオンズカップ

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国内無敵の王者を撃破 チュウワウィザード

 昨年は良馬場で1分48秒5というレースレコード決着だったが、その上位4頭が今年も4着までを占めたことは、昨年がハイレベルだったことを物語っている。その1着馬と4着馬が入れ替わる形となったのも、状態や立ち回り次第ではこの結果も納得できるほど力も拮抗していたと判断できる。

 チュウワウィザードの昨年は、当時の回顧の言葉をそっくり引用すると、“直線で捌きに手間取って脚を余したもので、勝ち馬のポジションを取れていればチャンスはあったかも”という一戦。道中でフカシ気味に昨年の勝ち馬をマークするレース運びは、鞍上こそ戸崎圭Jに替わったが、おそらく昨年の反省をふまえたものだったろう。その昨年よりも時計がかかる決着も良かったと言えるが、鞍上が最高の騎乗でこの馬の良さを引き出して、終わって見れば2着に2馬身半差の完勝だった。

チュウワウィザード

昨年4着のチュウワウィザードが今年は2馬身半差でV

 2着ゴールドドリームは、好位で運んだ昨年とは違って中団からの競馬となったが、自分の競馬で現状の力は出し切れたように思う。7歳の秋を迎えて全盛時の力には及ばない中で昨年と同じ着順をキープできたのは立派だが、他馬の凡走に助けられた面もあっただろう。

 3着インティは、2番手から流れに乗る形で直線でも渋太い粘りを見せたもの。これまた昨年以上の走りができたとは言い難いが、コース相性の良さを生かした形だった。

 4着クリソベリルは、外枠から自分のポジションを確保して流れに乗っていたが、直線で勝ち馬に並ばれて全く抵抗できなかったもの。プラス12キロの馬体に余裕があったことは確かだが、レース間隔が詰まっていたことで調整も難しかったのだろう。

 カフェファラオは、折り合い重視で中団から運んだが、同じポジションにいた2着馬のような伸びが見られなかった。古馬一線級とは初の手合わせだった分もあり現状ではこんなものだったのかもしれないが、前々で運んでこそのタイプかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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