何の苦労もなく勝ったグラティアス 超スロー京成杯Vの評価は?

佐藤直文 レース回顧
京成杯

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快勝で示したセンスと希望 グラティアス

 昨年までの過去10年の平均勝ちタイムが2分1秒7。例年のこの時期よりも少し時計がかかる馬場を考えると、ペース次第では2分2秒台の決着もあるかとは思っていたが、まさか前日の未勝利戦より1秒以上も遅い3秒台になるとは…。ただ、これは出走全馬が1勝クラスというレベルの問題ではなく、ひとえに前半1000mが63秒7という超スローゆえ、と考えていいだろう。

 グラティアスは、枠なりに好位のインに収まり、このスローでもキッチリと折り合う形。直線を向いたところでは、逃げた勝ち馬が馬場の中ほどに進路を取ったことで前がガラッと開き、何の苦労もなく抜け出すことができた。そういう恵まれた面があったとはいえ、センスの良さは十分に感じられる走りで、1頭だけ違う競馬をしたとも言える。時計面の課題は持ち越しとなったが、次へ希望の持てる勝利だった。

グラティアス

人気に推されたグラティアスが2着に2馬身半差をつけて快勝

 2着タイムトゥヘヴンは、主張したわけでもなく押し出された形でハナを切る競馬となったが、スムーズな競馬ができたのは勝ち馬とこの馬だけだったとも言える。直線では馬場のいいところへ持ち出して勝ち馬に内をすくわれたが、着差を考えるとそのままインを通っていたとしても結果は変わらなかっただろう。

 3着テンバガーは、そこまでうるさい感じもなく、道中は中団の外目で前を見ながら運ぶ形。直線では寄られる不利もありながら、渋太く脚を伸ばしており、キャリアを重ねて強くなるタイプであろう。

 4着ヴァイスメテオールは、今日の流れを考えれば絶好位と言えるポジションで運びながら、流れ込んだだけの形。まだ力不足と言っていい。

 5着プラチナトレジャーは、道中で頭を上げるなど、かなり折り合いに苦労しながらの追走。直線で差は詰めたものの、今日の流れでは厳しかった。

 タイソウは、ペースが一気に上がった3コーナー過ぎから鞍上の手が動き出し、緩急に対応できなかった形だが、現時点ではこんなものだったかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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