「資質」問われた消耗戦 力で捻じ伏せたワールドプレミア
菊以上の強さ ワールドプレミアが復活V
阪神での施行は27年ぶりとなったが、当時は改修前のコースであり、今回の外回り→内回りの3200mというコースは以前から設定があったものの、実際にレースが行なわれたのは今年2月の松籟ステークスのみ。どんな流れになるのかは、正直なところ蓋を開けてみなければわからなかったが、最初と最後の1ハロンを除く道中のハロンラップでペースが落ちたのは、9ハロン目の13秒1と10ハロン目の12秒6だけであり、それ以外はほとんど12秒前後の数字が刻まれる厳しい流れとなった。上がりの3ハロンは、直線がフラットな京都との単純な比較はできないが37秒4もかかっており、紛れもなくステイヤーの資質が問われる消耗戦になったと言える。
ワールドプレミアは、有力馬たちを前に見る中団のポジションで付いて行き、2周目3コーナーを過ぎての勝負どころから、前を行く4着馬の動きに合わせて進出を開始。4コーナーでは鞍上の手も激しく動いていたが、それでも直線では一頭だけ違う伸びを見せた。インを巧く立ち回った菊花賞とは違い、外を回って力で捻じ伏せたレースぶりも成長を示す内容であり、持久力勝負となったことも追い風になったことだろう。
2着ディープボンドは、勝負どころから前を追って動いて行き、直線で目標とした3着馬を捉えたところで、外から勝ち馬の強襲に遭ったもの。それでも、ゴール前は差し返し気味に伸びており、これまたステイヤーとしての資質の高さを十分に示す負けて強しの内容だった。
3着カレンブーケドールは、淀みない流れの中での先行策で、4コーナーでは追い上げてきた後続を一旦引き離したほどだったが、最後の最後で苦しくなってしまった。ただ、ペースや後続の目標となったことを考えれば、力を示すには十分な走りだったと言える。
4着アリストテレスは、ペースが流れたことで課題の折り合いは付いていたが、勝負どころの反応が一息で、直線で並んできた勝ち馬に抵抗できなかった。重い馬場だった年明けから2戦の消耗により、菊花賞当時の状態に戻り切ってなかったとも言えよう。
5着ウインマリリンは、前々で渋太さを発揮する本来の競馬はできなかったものの、勝負どころから勝ち馬を追って最後まで頑張っていた。このメンバーでの掲示板確保は胸を張れる。
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