まだまだ続く奇跡の物語 クロウエアのガラリ一変を星に願う【栗東・想定班レポート】

想定班レポート

 3週前に掲載したクロウエア(栗東・羽月厩舎)復帰戦の拙文が多くの人の目に触れて、予想外の数のリツイートもしていただいた。今週は、土曜中京12Rオーストラリアトロフィーに出走するが、“乗りかかった馬”なので第2弾をお届けする。(栗東想定班・那谷明弘)

無事にレースを終えたことが何より

 前走の内容については見ての通り。2ヶ月近く調教を積んだとはいえ、ノーザンファームしがらきを経由せず、一から馬体を作り直したことを考えれば結果は仕方ない。助手の一人は怖くてライブで見ることができず、競走中止でないことを祈りながらスマホをスクロールしたと話してくれた。実は僕もその一人だが、無事にレースを終えたのは400人のオーナーを始め、クロウエアを応援するすべてに人にとって何よりの吉報だった。
 その前走後の疲労の回復度や脚元については詳細に語る必要がないと思う。中2週で出走できるということほど、クロウエアの状態を雄弁に物語るものはない。

クロウェア

「またコイツ来てる」という感じでチラ見してきたクロウエア


星に願いを

 正直に書くと、今回も厩舎関係者からの取材の感触は決して良くない。ただ、藤岡康太騎手は会話の最後に「いい意味で期待を裏切って欲しい」とつぶやいた。そう、叩き2走目、53キロのハンデ、実績のあるマイル戦、メンバー弱化と変わる材料には事欠かないのだ。“奇跡”の安売りはしたくないので今回はガラリ一変を“星に願って”みようではないか。

クロウエアと羽月師

クロウエアと羽月師の仲睦まじいツーショット

那谷明弘

筆者:


1970年神戸市生まれ。慶応大学文学部卒。95年入社。美浦で時計班として所属したのち、96年秋から栗東トレセンで取材を担当。夏の小倉出張は10年を越える。予想は「競走馬の強さはラップに現れる」、馬券は「血統と確率論の理解が必須」がモットー。

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