誰もが納得の強さ ドゥラメンテ&デムーロがまずは一冠

【佐藤直文 先週のレース回顧】
牡馬クラシック第1弾の皐月賞は、ドゥラメンテが直線で末脚を爆発させて、まずは一冠制覇となった。4コーナーでの斜行により、ミルコ・デムーロ騎手には開催4日間の騎乗停止処分が課せられたが、被害馬に不利がなかったとしても敵わない、誰が見ても一番強いと納得できる勝利であった。

佐藤直文 レース回顧

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その名通りの荒々しさで 【皐月賞】

 逃げると見られていたスピリッツミノルがモタつくうちに、外から一気にクラリティスカイがハナを奪う展開。前半1000m通過が59秒2というのは予想した以上に速いペースであった。決着タイム1分58秒2は、一昨年にロゴタイプがマークしたレースレコードにコンマ2秒差の好タイムであるが、その時は今回を上回る前半1000m58秒0のハイペースが生んだレコードであり、中間点で1秒以上も遅いラップでの今回の時計は相当優秀なものと言える。

 共同通信杯では道中掛かりっぱなしだったドゥラメンテだが、今回は後方のインで折り合いが付いた。そのままロスなく内を回って勝負どころから徐々に進出し、4コーナーでスッと外へ持ち出した際には大きく膨れたが、直線でも本当にエンジンがかかったのは残り1ハロンを過ぎてからで、そこからの脚はまさに次元が違うものであった。こういう競馬ができたことが驚きでもあるが、騎乗停止処分を受けたとはいえ、ジャジャ馬を乗りこなして最大限に能力を引き出したデムーロ騎手の手腕はさすがと言うしかない。

 2着リアルスティールは、やや掛かり気味ではあったが正攻法の競馬。前走では捕まえきれなかったキタサンブラックを交わして、一旦は抜け出す完璧な運びだったが、勝ち馬には総合的な能力の差を見せ付けられた形だ。

 3着キタサンブラックは、リアルスティールに交わされてからも踏ん張っていたように、持ち味を生かし切った。こういうタイプは、距離が延びても大きく崩れることはないだろう。

 4着ブライトエンブレムは、スタートをきちんと出て、内目をロスなく運ぶ上手な競馬だったが、今回のような時計勝負ではここまでが精一杯だったか。中山よりは明らかに東京向きであり、ダービーでの前進は見込めるはずだ。

 1番人気サトノクラウンも、4コーナーで外へ振られるロスがあったとはいえ、それがなくても3着があったかどうかと言える程度。ブライトエンブレム同様に、時計勝負に対応できなかったと言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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