調整過程から見えてくる 勝利へのメソッド【栗東トレセンレポート】

想定班レポート

調整過程にいつも驚かされた グランアレグリア

 先週のマイルCSでラストランを飾ったグランアレグリア。週中の追い切りよりもそれ以外がハードなメニューだったが、当たり前の様にこなしていつも通り競馬へ。それで輸送があってのプラス体重に頭が上がらない。結果云々よりその過程にいつも驚き、これだけのことをやれることが羨ましかった1頭だった。そんな気持ちを込めて打った◎に、期待通りやっぱり強い姿を。ほんとうにお疲れ様でした!
 こういった調整過程からくる負荷に注意してもらえれば、また違った楽しみな方もある。

マイルCSグランアレグリア

ラストランで有終の美を飾ったグランアレグリア


あれから1年が経とうとしている…

 阪神土曜12Rに出走するアールラプチャー(栗東・千田厩舎)の約1年前となるつわぶき賞のコメント。
「放牧から戻ってきた姿が寂しかったのでそこを考慮しての調整でしたが動ける体にはなりました。1400mにメドが立てられれば選択肢も広がりそうです」と師。
 休ませたわりに調整過程での馬体のフレッシュ感のなさ。そこに競馬内容は悪くなかったがもっとやれたのでは、という陣営の悔しい思いがあったことを覚えている。 

 続いて、骨折明けの2走前のコメント。
「体は増えるかもしれないけど、牧場でしっかり乗り込んで戻し調教で跨っている竹之下騎手も、休み明け感はあるけどやればいくらでも動きそうと感触がイイよ」と師。
 復帰は最高の滑り出し。結果にホッとしたがそれよりも体を気にせずに調整ができたことにこちらも嬉しくなった。 

 そして、一息入った今回のコメント。
「もっと早く牧場から戻せたけど480キロになるまで待ったからね。まだまだ大きくなって良い馬。体を考慮することなく調整ができたしもう一つ上のクラスでやれて良い。当日輸送で大きな変化はないかもしれないけど力を出せる態勢ですよ」と師。
 スピードの違いで今回もまた前で運ぶことになりそうだが、決して逃げないといけない馬でもない。480キロで戻った今回が何キロでの出走となるかは蓋を開けて見なければわからないが、今回も、そしてこれからも体の成長がとても楽しみな1頭だ。(栗東想定班・菅幸治)

筆者:


1970年広島生まれ。色々あったがTMとして実働25年。栗東の厩舎取材を担当。予想は感覚で、馬券は祈るのみ。