「モノ違った」テーオーケインズ 12着ソダシは、初ダートのGIなら「こんなもの」

佐藤直文 レース回顧
チャンピオンズカップ

これぞ帝王の走り 圧巻の6馬身差でテーオーケインズ

 まずはソダシについて。最内枠からのスタートも無難に出て、外の馬を見ながらスムーズにハナへ行けた。道中も力みは見られず、1000m通過61秒4のラップはけっして遅くはなかったが、結果的に2・3番手の馬が3・4着に残ったことを考えるとオーバーペースだったわけではない。適性はともかくとして、やはり初ダートでのGIの舞台では、こんなものかもしれない。

 テーオーケインズは、前走とは違ってスタートを決め、先行勢の直後を手応え十分に運ぶ理想的な形。直線を向いて少し気合い付けただけで馬群を割って先頭に立つと、追われてあっという間に後続との差を広げ、最後は流しての6馬身差圧勝だった。久々でイレ込んでいた前走と比べてデキ自体も一変していた上に、コースの適性も高かったと言えるが、この着差はちょっとモノが違ったとしか言いようがない。

テーオーケインズ

6月の帝王賞に次ぐGI級レースでの勝利をあげたテーオーケインズ

 2着チュウワウィザードは、道中の行きっぷりを見ても、まだ本調子には一息と言える走りだったが、最後に来たのは地力の証明だろう。

 3着アナザートゥルースは、兄たちもそうだったように7歳の秋を迎えても全く衰えることなく、自分の競馬ができていた。勝ち馬に並ぶ間もなく交わされてからも、持ち前の渋太さを十分に発揮しての大健闘だった。

 4着インティも、3着馬同様に7歳ながらまだまだ健在ぶりをアピールする走り。久々の先行策であったが、力は出し切れたように思う。

 ソダシについては冒頭で記したとおりだが、良かった頃のような走る気が感じられなかったことも確かだ。芝に戻すとしても、一旦リセットしての立て直しが必要だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。