桜花賞も楽勝? メジャーエンブレムが快時計で他馬を圧倒

佐藤直文 レース回顧
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驚異の時計で桜も当確 メジャーエンブレム

 土曜日の東京は未勝利のマイル戦で1分34秒3、古馬1000万条件の1800mでも1分45秒5と、強風の影響を受けながらも好タイムが連発していたが、そういった馬場を考慮しても、1分32秒5の決着タイムには目を疑った。従来のレースレコードを1秒5も更新したばかりか、この時期の3歳牝馬としては、おそらく史上最速であろう。参考までに、桜花賞のレースレコードは2010年アパパネの1分33秒3。コースの違いこそあれ、少なくとも桜は当確のレベルである。

 そのメジャーエンブレム。好スタートを決めると躊躇なくハナへ立ち、2ハロン目に10.8秒を計時。以降3ハロン目からラストまで全て11秒台のラップでまとめたのであれば、他の馬にはどうすることもできなくて当然だった。このあとは桜花賞に直行の予定だが、無事ならば阪神ジュべナイルF以上の楽勝劇が濃厚だろう。その先について、ルメール騎手は“2000mでも2400mでも大丈夫”とコメントしていたが、オークスを逃げ切るのはさすがに至難の業である。前に馬を置く形でキチンと折り合えるか。課題らしい課題が見付からない中で、重箱の隅をつつくような指摘であることも確かなのだが…。

メジャーエンブレム

5馬身差で圧勝したメジャーエンブレムが桜花賞に王手(撮影:日刊ゲンダイ)

 好位追走組でもかなりのハイラップを強いられたため、2着以降は中団から後方待機の馬が上位を占めた形だが、5馬身後方で2着争いを制したフロンテアクイーンは、今回も立ち遅れながら、中団のインでうまく流れに乗れていた。直線ではスムーズに外目に持ち出して渋太く伸びたが、メイショウサムソン産駒だけに、距離はもっとあっていいタイプ。買えるとしたら、桜花賞ではなくオークスの方かもしれない。

 3着ロッテンマイヤーは、中団で折り合いを付けて運び、直線では馬群を割って出る勝負根性も見せた。僅か1戦というキャリアを考えれば立派な内容であり、最後に伸び負けたとはいえ、今後が楽しみな素材である。

 4着は2頭同着となったが、ダイワドレッサーはマイルでは距離不足の印象。ラブリーアモンは、後方から自分の競馬に徹したが、現状ではこういう競馬ができる東京コース向きの馬と言えるだろう。

 先行勢は終始2番手のコパノマリーンがシンガリに沈んだように、厳しい流れであったが、一旦はハナを窺いながら控えたビービーバーレルも、その判断は正しかったと思える。結果9着でも2着から大きく離されたわけでもなく、大きく評価を下げる必要はない。ルフォールはシンガリに近い位置から、直線でインをついて差を詰めた形。ただ、今日の流れであれば、もっと来れていいはずであり、次以降を見据えた仕上げだったのかもしれない。サプルマインドは、終始外を回らされる形だったとはいえ、ちょっと負け過ぎの印象。大幅な馬体減が響いたと言えよう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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