二強の敗因は??? 快勝ディーマジェスティは更に長い距離でも

佐藤直文 レース回顧
共同通信杯

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楽しみな馬がまた一頭 ディーマジェスティ

 日曜は、土曜とは一転して雨の影響を受けた道悪馬場となった。上位人気馬の凡走で波乱の決着となったが、今日の馬場で1分47秒4の時計はけっして悪いものではない。近年の傾向通り、ここでの好走組がクラシック戦線でもひと暴れする可能性は十分ある。

 ディーマジェスティは、中団後ろめのインで追走。4角手前でステッキが入るなど、少し反応の悪さも見せたが、直線でエンジンが点火してからは、グイグイと脚を伸ばして突き抜けた。ディープインパクト産駒の割には、スパっとキレるタイプではなく、ジリジリと伸びるタイプなので、今日のような渋った馬場も良かったのだろうが、距離が延びて更に、という馬でもあり、楽しみな馬が出てきたと言える。

ディーマジェスティ

ジワジワと伸びたディーマジェスティが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着イモータルは、パドックでのイレ込みが目立っていたが、レースに行っては好位で落ち着いて流れに乗れていた。後方に有力馬が控える中で早目に先頭に立つのも、リスクのある選択に思えたが、最後まで脚色が鈍ることはなく、東京コースで本来の力を遺憾なく発揮したと言える。

 3着メートルダールは、後方から運んで4コーナーでも外を回って自分の競馬に徹したもの。ゴール前でも一番いい脚を見せており、今回もまた“もう少し前で流れに乗れていたら”という感を受けたが、1800mは距離不足の馬であろう。

 4着リスペクトアースもまた、自分の形で運んで渋太く粘った形だが、直線で早目に2着馬に交わされてからも、バテることなく踏ん張っており、今後の成長次第ではステップアップも可能だろう。

 問題の“二強”だが、スマートオーディンは、絶好の位置で運んだものの、直線で追い出されてからフォームがバラバラになっていた。レース直後に敗因を聞かれた武豊騎手も“こっちが聞きたいくらい”とコメントしたように、はっきりした敗因はわからないが、プラス12キロでの仕上り具合や気性面の問題だろうか。こんな馬ではないことは確かだ。そしてハートレー。直線で全く反応しなかったし、たとえ今日のような馬場が苦手であっても、ここまで負ける馬ではなく、これまた敗因が見付からない。脚元の問題ではないことを祈るばかりだが、予定では放牧を挟んで皐月賞へ直行とのこと。新たなライバルも次々と出現する中で、どこまで立て直して臨めるのか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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