【高松宮記念回顧】“4年連続の道悪”だけではない メイケイエールやアグリの敗因

佐藤直文 レース回顧
高松宮記念

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泥だらけのスプリンター ファストフォースが7歳にして頂点へ

 4年連続となる道悪での施行となった高松宮記念だが、内から馬場が乾いていってインコース有利だった昨年とは違い、今年は降り続く雨によりどこを通ってもタフな不良馬場。確かなスプリント能力に加えての道悪適性が問われる一戦となった。

 ファストフォースは、スタートから出して行って好位外目で流れに乗り、直線を向いてからは他の先行好位勢の手応えが怪しくなる中で、ただ一頭だけ力強い伸びを見せて、一度は並びかけられた2着馬を最後は突き放しての勝利。小倉のCBC賞を当時のJRAレコードで勝った実績がある馬だが、道悪にも良績があるパワー型で、今日の馬場への適性を十分に示した形だ。目下の状態も良く、千載一遇のチャンスをモノにしたと言えよう。

ファストフォース

鞍上の団野大成騎手共々、GI初勝利を収めたファストフォース

 2着ナムラクレアは、中団の外目追走から直線でもタフな馬場を苦にすることなく力強い伸びを見せたが、一旦は迫った勝ち馬に突き放されたのは、序盤にポジションを取れなかった分だったか。勝つだけの状況は揃っていたと思えるだけに、惜しかったと言うしかない。

 3着トゥラヴェスーラは、最内枠を引いたことで道中からラチ沿いピッタリを回っての決め撃ちで、直線でも見せ場を十分に作った。こういう競馬ができたのも道悪適性あってのものだろう。

 4着ナランフレグは、昨年の勝利が重馬場だったとはいえ、前述したように昨年とは異質の馬場。よく追い上げて力は見せたものの、この馬にとっては馬場が悪すぎたか。

 5着グレナディアガーズは、序盤に無理をせず後方から。直線でも外からよく追い上げたが、これまた良馬場でこそのタイプだろう。

 アグリは、枠順的にも仕方なかったとは言えるが、前の組には厳しい流れの中で少し行き過ぎた印象。それでも直線で一旦は抜け出すかのシーンを作って力は示しており、今日のところはキャリアの差と言えるだろう。メイケイエールは、とにかく行きたがっていたように、テンから平常心を欠いていた。能力は確かだが、当日になってみないとわからない気性面の課題がいまだクリアされていなかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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