【アルゼンチン共和国杯回顧】とにかく凄いモレイラ 並みのジョッキーでは「不可能」

佐藤直文 レース回顧
アルゼンチン共和国杯

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マジックマンに導かれ ゼッフィーロが素質開花の重賞初制覇

 前半1000m通過が61秒1のスローペース。勝負どころでフルゲート18頭の馬群が凝縮する形では、仕掛けのタイミングや進路取りが鍵となったが、上位入線馬に関してはいずれもジョッキーがほぼ完璧な立ち回りだった。ただ、その中でも頭抜けていたのが、土日で11勝の固め打ちを演じた“マジックマン”だったろう。

 ゼッフィーロは、中団の内で折り合って脚をしっかりと溜め、持ち前の瞬発力を生かすには申し分のない追走。勝負どころでも内にこだわったことで、直線の入り口ではポジションを落とす形とはなったが、そこから慌てず騒がずスペースができるのを待てるのがモレイラ騎手の凄さだろう。前が開いた一瞬の隙を逃さずに突き抜けたのは、馬の能力もあってこそだが、1番人気を背負っていては並みのジョッキーではできない立ち回りだった。出世こそ遅れたがまだ4歳。オープン昇格後も常に上がり最速をマークし続けている馬だけに、もうひとつ上のステージでも期待が持てる。

ゼッフィーロ

人気に推された4歳馬ゼッフィーロが重賞初制覇

 2着マイネルウィルトスは、勝ち馬とは対照的に枠なりに外を回らされる形だったが、持ち味を存分に生かした負けて強しの内容だった。

 3着は同着。まず、チャックネイトは、3勝クラスを勝ち上がったばかりでのこの走りは目覚しい地力強化を示すもので、大野騎手の立ち回りも見事だった。ただ、実は勝ち馬が二分の一の抽選対象で、もしも除外されていればこちらの鞍上がモレイラ。そうなっていたら、繰り上がっての2着どころかそれ以上の結果となったかもしれない。

 ヒートオンビートも、追い出しを我慢して最後に脚を使わせる石川騎手の好騎乗が光った。トップハンデ59キロを考えても、能力とコース適性は十分にアピールできた。

 ディアスティマは、逃げて粘った前走の目黒記念とは全く違い、行きっぷりが悪かった。久々で本来のデキになかったと言えるだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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