【マイルCS回顧】藤岡康“代打ホームラン”だけじゃない勝因 あらたに判明したナミュールの「適性」

佐藤直文 レース回顧
マイルCS

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あっぱれ藤岡康太の満点騎乗 ナミュールが待望のタイトルを奪取

 午後になってから良へと回復した馬場は、少し時計のかかる状態。半マイル通過46秒0の適度な流れは差し馬向きで、決め手の生きる一戦となった。

 ナミュールは、大外枠からアオって出たこともあって後方に控える形。ただ、道中は距離ロスを抑えた丁寧なコース取りで、4コーナーでも外を回さずにバラけた馬群を割って豪快に差し切って見せた。タイトルに手が届かなかった3歳時と比べても、馬体に実が入り、ようやく完成された感を受けたが、京都外回りの適性自体もかなり高い馬だと言える。そして何より、ムーア騎手の負傷による代打となった藤岡康騎手の満点騎乗が、待望のタイトルを手繰り寄せたと言えよう。

ナミュール

最後“飛んできた”ナミュールが牡馬勢を差し切りGIタイトルを獲得

 2着ソウルラッシュは、馬場状態を考えるとけっして有利ではなかったと思える最内枠だったが、中団のインで脚を溜め、直線で巧みに前を捌いて一旦は抜け出す形。勝ち馬の強襲こそ凌げなかったものの、持ち味は生かし切った。

 3着ジャスティンカフェは、序盤は少し持って行かれ気味で、いつもよりは前目のポジションとなったが、直線ではこの馬らしい脚を使えたもの。惜しむらくは、直線で内ではなく外へ持ち出していれば、勝ち馬と併せる形で最後まで脚を使い切れたかもしれない。

 4着エルトンバローズは、中団に控える形から直線でも手応え以上に渋太く脚を使っていたが、上位とは決め手の差。ただ、レースセンスの高さを改めて示す走りで、いずれはタイトルにも手が届く馬だろう。

 5着ダノンザキッドは、もう一絞り欲しい体つきだったが、それでもここまで差を詰めてきたのは地力の高さゆえだろう。

 シュネルマイスターは、ゲートで突進した上での出遅れが痛かったとはいえ、本来の脚を使えていれば上位に来られた流れ。早目に栗東入りしての調整だったが、久々だった前走からのプラス体重は、幾分太目だったか。セリフォスは、序盤で力みが見られ前に壁を作ることもできなかった。前哨戦を使えなかったことで状態も本物ではなかったと言えそうだ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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