ファンディーナ69年ぶり牝馬皐月Vは可能か? TM陣が激論

牡馬クラシック開幕戦の皐月賞は、今年に入って勢力図が目まぐるしく変わった上に、無敗牝馬の参戦もあって空前絶後の大混戦ムード。予期せぬ決着となった桜花賞の汚名を返上すべく、優馬TM陣が徹底討論。

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皐月賞

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果たして牡馬に通用するか? 注目の牝馬ファンディーナ

デスク「一昔前の皐月賞なら、メンバー中の重賞勝ち馬が片手、とは言わないまでも両手で数えて余るほどだったけど、今年は足を使わないと数えられない11頭もいるんだよな。重賞の数自体が増えていることは確かだけど、何を信じていいものやら…」

武井「確かに、今年のメンバーは対戦比較などで計ることも難しいですが、だからこそ、◎は3戦3勝のファンディーナでいいと思いますし、注目すべきはその非凡な競馬センスですね。逃げ切りだった初戦から一転して控える形となった2戦目が、ラスト10秒7-11秒0のラップを差し切り。長距離輸送やコーナー4回の小回りなど初ものづくしだった前走でも難なく対応しての楽勝で、一戦ごとに違った状況を克服して想像以上の結果を出している点に魅力を感じます」

デスク「とはいえ、今回はGIのみならず牡馬が相手と、ハードルが一気に高くなるわけだよな」

田崎「僕は武井君と全く同感ですが、これまでより厳しい競馬になることは百も承知です。それでも、ファンディーナには牡馬を蹴散らすだけの高い性能があると思いますね」

小島「厳しい流れになって、もまれた時はどうか、という不安材料があることも確かですが、それを凌駕するスケールの大きさは感じますよ」

守屋ファンディーナの挑戦は、盛り上がりを考えても非常に歓迎だと思います。前走のフラワーカップは、当初は少しパドックでもチャカチャカ周回していましたが、慣れるに従い徐々に落ち着いてきましたし、レースでも1000m通過61秒1の緩い流れを全く掛かることなく折り合って運べていました。2度目の中山なら輸送への不安もないはずですし、快挙達成の可能性も十分あるでしょうね」

広田「これまでの3戦とも規格外の内容でしたが、陣営から“まだまだ伸びしろがある”という声も上がっているように、底知れぬ大物感が漂います。牡馬相手でどうこうというレベルの馬ではない気がしますし、前走で中山コースを経験できたのも大きな強味ですよ」

ファンディーナ

69年ぶりの牝馬による皐月賞制覇を狙うファンディーナ(撮影:日刊ゲンダイ)

デスク「同じく3戦3勝のレイデオロは、確か年明けのアンケートの皐月賞馬予想では断トツの1番人気だったはずだが…」

佐藤直「やっぱり、ぶっつけでは厳しいよ。どこかで一叩きできていれば、その結果を問わず、◎の可能性もあったんだけどな」

守屋「僕も能力評価を落としたわけではないですが、ソエの影響でトライアルを使えなかったことは誤算でしょう。また、デビュー前から調教で遅れたことがなかったばかりか古馬相手でもラクラク先着していた馬が、最終追いでは直線で促しても伸びが鈍くて遅れてしまいましたからね。反応の良さが売りのひとつでしたが、それがなかったのは明らかなマイナスです。他馬がトライアルを経て順調にきているだけに、厳しいと言わざるを得ません」

久光「そのレイデオロの追い切りについては、1週前にも手綱を取っていた五十嵐騎手に電話取材したんですが“今回に限っては8分程度といったところ”とのことでした。これまでずっと調教を付けてきた彼が、反応に重さを感じているのなら、目標は次のダービーと見ていいですね」

馬場「厩舎への取材では“ピッチを上げて乗り込んでも体が減らないし、成長を感じる。今週のひと追いで馬体も締まり、ハリも出ている”と、態勢自体は整っていると言えるんですが、僕も印を“抜け”にしたのは、これまでよりも高いレベルの相手でどうか、と思ったからなんですよ」

大江原「ただ、レイデオロは3勝中2勝がこの中山2000mで挙げたものだし、直線一気の鋭い決め手は、このメンバーでも上位だと思うけどな。出走してくる以上は、力を出せる状態と判断してもいいんじゃないか」

デスク「同じ藤沢和厩舎では、2歳王者のサトノアレスも何か悲惨な印になってるけど、桜花賞の大本命馬の敗戦で厩舎が意気消沈でもしてるのか?」

馬場「そんなことはないですよ。前走のスプリングSについては“スタートを滑るように出てバランスを崩し、若い馬だけにリズムを取り戻すのに手間取った”と、敗因がハッキリしていますし、こちらは一度使っての上積みも十分あります」

小野智「戸崎圭騎手は、前走でかなり期待していただけに、余計残念そうでしたが、今回に関しては“相手が強くなりますから”と、強気のコメントを貰えませんでしたね」

デスク「だからこそ、二人とも“抜け”ってことか」

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