大外枠アドミラブル、優馬TMの評価は? ◎はアノ馬に集中!

いよいよ明日に迫った日本ダービー。競馬ファンのみならず優馬TM陣にとっても、一年に一度の“競馬の祭典”である。空前の混戦模様と言われる今年のダービーを攻略すべく、座談会もいつになくヒートアップ!

優馬TM座談会
日本ダービー

TMの◎支持ナンバーワンは 意外にもこの馬に…

デスク「今年の牡馬クラシック戦線は、低レベルだとかタレント不足だとか言われてきたけど、抜けた存在がないぶん、それはそれで面白いダービーになったと思うんだよ。そして、◎の数を比べたら、スワーヴリチャードレイデオロアドミラブルの順で、皐月賞の馬券対象組が入っていないというのも不思議な現象だな」

大江原「その時の状況でガラッと着順が変わって不思議はない、というのが今年の皐月賞を観ての感想。オークスでのソウルスターリングのような核となる馬が依然として見当たらないだけに、皐月の着順は鵜呑みにできないよ。そんなわけで、別路線の新興勢力組にも魅力を感じるけど、皐月は不完全燃焼に終わったスワーヴリチャードの巻き返しに期待したいな」

西田「皐月賞は右回りでうまく手前を替えられず、いつも以上にギクシャクした走りでしたが、それでも直線で外から伸びてコンマ4秒差なら評価を下げられませんね。距離は延びていいタイプですし、得意の東京で申し分のない枠順も引けたのなら、逆転の材料が揃ったと言えますよ」

久光スワーヴリチャードの前走は、手前の問題に加えて、内枠から大外へ持ち出すロスもあったわけですから、僕もコンマ4秒の着差は無いに等しいと思いますね。少なくとも、皐月賞組はまとめて逆転できるはずですし、未対戦のアドミラブルに枠順で大きなアドバンテージを得た以上、皐月賞に続いて◎に期待しました」

守屋「僕は、1月に実施したTMアンケートで“皐月賞カデナ、ダービー馬スワーヴリチャード”と指名したんですが、皐月賞でカデナに◎を打ったように、今回も初志貫徹でスワーヴリチャード◎です。課題である右手前のまま走り続ける点ですが、これは回りの問題ではなく、初の東京コースだった東スポ杯2歳Sでもそうでした。ただ、共同通信杯ではシッカリ手前を替えていて、要は学習能力が高い馬だということなんですよ。あとは、何といっても2枠4番の絶好枠ですね。ダービー週がCコース替わりとなった2003年以降、内枠が圧倒的優位の傾向ですし、四位騎手には大外を回る荒い騎乗も目立ちますが、ダービーでこの枠を引いたなら、腹をくくってインで脚をためる競馬をしてくれると信じたいです」

加茂「敗れたとはいえ、スワーヴリチャードの皐月賞は、もうひとつの課題だったゲートをクリアした点は収穫やったと思いますわ。小回りの中山よりも東京が向くことに疑いの余地はないわけやし、スタートを決めて脚をタメれば突き抜けるシーンがありますやろ」

板子「僕は皐月賞が超高速馬場だったという点で、特に好走組には疲労が残っている可能性があると見ています。負けたスワーヴリチャードにとっては、ダメージが少ないという点で、ここへ向けては却って良かったと思いますし、見直す手でしょう」

広田「確かに皐月賞はエンジンが掛かったところがゴールでしたよね。東京ならそんなことはない馬ですし、四位騎手も“一戦ごとに競馬を覚えているし、ポテンシャルは相当高い。この馬のリズムを崩さないように乗りたい”と、作戦を練っている様子でした」

那谷「俺が四位騎手から聞いた話は“もともとダービー向きだと思っていたし、皐月賞で負けた組では俺とクリストフの馬が巻き返せるんじゃないかな”と、相手も分析していたぞ」

伊利「共同通信杯から皐月賞へ直行というスワーヴリチャードのローテーションは、ドゥラメンテの例があるとはいえ、粗削りなレースぶりを考えてもダービーを見据えたものと見るべきでしょう。皐月賞を叩き台にまでしてダービー制覇に懸けた陣営には男気を感じますし、一冠目は不発に終わっても距離が延びる二冠目で一変、というのはハーツクライ産駒の十八番ですからね」

スワーヴリチャード

TM1番人気はこの馬スワーヴリチャード(撮影:日刊ゲンダイ)

山崎「僕は皆さんが評価しているスワーヴリチャードの共同通信杯勝ちが、時計的に物足りなさを感じているんですよ。それより速い時計で勝っていた昨年のディーマジェスティや一昨年のリアルスティールが、3・4着止まりだった点も気になりますしね。その時計比較という点では、勝ち馬が皐月賞も制した毎日杯の1分46秒5は過去のこのレースの勝ち馬と比較しても優秀と言えるんですが、その毎日杯をはるかに上回る時計で未勝利を勝ったのがアドミラブルです。もちろんレースレコード勝ちの青葉賞も評価に値しますが、未勝利勝ちの時点で凄い馬が現れたと思いましたよ」

武井アドミラブルの未勝利勝ちは、加えてノドの手術明けでのもの。毎日杯の過去最速タイムである1分46秒0をもコンマ2秒も上回ったわけですし、そのタイムを叩き出したディープスカイが、その年のNHKマイルCとダービーを制覇したのであれば、単純な時計比較で既にGIレベルの能力を示したと言えます。まぁ、展開や馬場があるので時計を盲信できませんが、青葉賞でも直線で内へ外へとフラつきながら凄い時計で駆けているわけですからね。不安の声も上がっている大外枠も、変に内に包まれるよりは自在に動けるぶん大きなマイナスにはならないでしょう」

デスク「ただ、アドミラブルが青葉賞と同じ競馬をして勝てるほど本番は甘くはないだろうし、何より青葉賞勝ち馬の呪われたジンクスもあるからな」

田崎「今年は皐月賞にしても非トライアルの別路線組がワンツーとなったように、“特殊な年”と言っていいんじゃないでしょうかね。ジンクスについても、関西馬にとっては中3週での再輸送が応えるケースがありますが、これだけビッシリと追われているんですから、状態にも不安がないと見ていいはずです」

瀬古「山崎君や武井君も絶賛したアドミラブルの未勝利勝ちですが、音無師もあの勝ち方を見て“ダービーを意識した”とのこと。その後のローテーションは、同舞台の毎日杯も選択肢にあったんですが、あえて自己条件のアザレア賞を選んだのは、その次の青葉賞も本番も全て中3週になるためで、“同じ調整で臨めるので仕上げやすいし、馬もそれに慣れるだろうから”という師の計算なんですよ。そこからくる“何の不安もない”というコメントには重みがありますし、あの歴史を変えたウオッカの衝撃から10年を経て、青葉賞から歴史を変える馬が出現するはずです」

那谷「皐月賞でペルシアンナイトを2着に導きながら、ミルコがダービーで乗る馬を決めていなかったのは、アドミラブルがいたからなんだ。青葉賞の翌日に“あんなに時計が速かったとは、乗っていてわからなかった。体感以上に時計が出るのは走る馬の証拠。凄いよ、この馬”と興奮気味にまくしたてていたし、過去にミルコが乗った馬の中ではネオユニヴァースに似ているそうで“キレ味もあるけどパワータイプ”なら、少し渋った馬場でもドンと来いだろう。誤算と言えば大外枠を引いたことだけど、担当の蛭田助手は“出遅れ癖があるので大外枠でもいいと、枠順が決まる前に話をしていたんですよ。最後の枠入りなら待たされてイライラすることもないし、中途半端に包まれて脚を余す心配もないですからね”と、極めて前向きだったぞ」

小島「ただ、アドミラブルは青葉賞で走り過ぎた感を受けますし、過去の勝ち馬が本番で結果を出していないのも、その反動が影響するのではないかと…。加えて3月から4戦目では上積みも見込めない気がするので、ちょっと人気になり過ぎかと思いますが」

佐藤直アドミラブルは未勝利勝ちも青葉賞も確かに時計は凄いんだけど、負かした相手もたいした馬ではないんだよな。となれば“強い馬ではあるが、けっして怪物ではない”というのが現状の妥当な評価。青葉賞は例年よりも頭数が少なかったからできた競馬だし、フルゲートの大外枠でキャリア不足が露呈するシーンもあるだろうな」

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