有力馬回避が目立つ宝塚記念 真の課題は難しいローテーションにあり

【馬声人語】
春シーズンの競馬も今週の宝塚記念で一段落。有力馬達の故障・引退は残念の一言に尽きるが、改めて海外も含めた春競馬の流れについて考えてみたい。

馬声人語
海外競馬宝塚記念

見えてきた宝塚記念へのローテーションという課題

 エピファネイアハープスタートゥザワールド…。宝塚記念に出走を予定していた、または出走していてもおかしくはない馬たちが相次いで怪我に泣いている。どの馬も今春に海外遠征を敢行しているという共通点がある。海外遠征を行った馬のすべてにアクシデントが発生しているわけではないが、長時間の輸送や環境の変化など、体へのダメージは国内でレースを使うよりも大きいはず。改めて海外遠征のリスクの高さが浮き彫りになったと言えるのではないか。

 春の時期に海外遠征を行う中距離馬が増えたというのは前回も書いたが、今回はその宝塚記念への臨戦過程について考えてみたい。宝塚記念の出走予定馬の前走と間隔について書き出してみると以下の通り。

  • 天皇賞(春) 4頭(中7週)
  • 目黒記念 3頭(中3週)
  • ヴィクトリアマイル 3頭(中5週)
  • 鳴尾記念 2頭(中2週)
  • 海外 2頭(中10週・中12週)
  • 大阪杯 1頭(中11週)
  • 菊花賞 1頭(8ヵ月)

 宝塚記念のステップとしてはどれも微妙。今年は出走馬が不在だが、エプソムCでは中1週と厳しいローテーションになってしまう。最も多い天皇賞にしても距離は1000mも違うだけに、中距離馬としては使いづらい。目黒記念はハンデ戦ゆえにGI勝ち馬などは使いにくいし、それは別定戦の鳴尾記念もまた同様。牝馬がヴィクトリアマイルから参戦するパターン以外となると、中距離の実績馬に関しては海外のレースを使うという選択肢が濃くなるのは当然だろう。

 ヌーヴォレコルトが決して適距離とはいえないヴィクトリアマイルを使ったのも、中山記念から宝塚記念の間に適当なレースが見当たらないこと。宝塚記念に直行では間隔があきすぎるからというのもある。先週も当コラムでは宝塚記念の話題を取り上げたが、まずはこの不自由なローテーションを改善すべきだろう。

有馬記念特集

2024年有馬記念特集

有馬記念の結果、動画、出走馬一覧、単勝オッズ、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、歴史などを紹介する特集ページです。出走馬一覧には、単勝オッズやデータを合わせて掲載。

  • 特別登録
  • 予想オッズ
  • 想定騎手
  • 優勝馬名
  • 優勝騎手名
  • レース動画

優馬 2歳馬チェック

優馬 2歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週月曜か火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。