影を踏む馬がいない? 母ビリーヴと同じ成長曲線フィドゥーシア

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韋駄天フィドゥーシアに 重賞制覇の機は熟したか?

デスク「このレースを2連覇していたベルカントの引退で、ここは過去の覇者が不在の一戦となるが、重賞自体も未勝利のフィドゥーシアに人気が集中しそうだな」

坂倉「前走の韋駄天Sは、自身初めての直線競馬だったにもかかわらず、後続を全く寄せ付けない完勝でしたからね。時計的にも胸を張れるもので、かなりのコース適性を示したと言えますし、ここでも中心は譲れないでしょう」

佐藤直「ここは近2走で勝負付けの済ませている馬も多いし、再度の54キロで夏の開幕週なら53秒台が出てもいいレベルだよ。ならば、影を踏む馬もいないんじゃないか」

守屋「この新潟でGIのスプリンターズSを制した母のビリーヴが、初めて重賞を勝ったのは4歳9月のセントウルSですが、フィドゥーシアの成長曲線は母をなぞっているかのような感も受けますね」

デスク「陣営も当然強気なんだろうな」

瀬古「以前はゲートを潜ったりするなど精神面での幼さを見せていましたが、この2連勝は陣営も“年齢を重ねて心身ともに成長して本格化した”と、高い評価を与えています。2走前の2着馬は先日の函館スプリントSでも2着と好走していますし、もう重賞を勝つだけの力も備わったと見ていいでしょう。母に縁のある地で、初タイトルを掴めるはずです」

フィドゥーシア

スプリントGI2勝の名牝ビリーヴを母に持つフィドゥーシア(撮影:日刊ゲンダイ)

久光「ただ、僕は直さんの言う“勝負付け”が済んでいないアクティブミノルに魅力を感じます。前走のCBC賞は開幕週ながら雨を貰ったタフな馬場で、かなり厳しい競馬を強いられながら3着に踏ん張ったもの。ブリンカーの効果もあったと思いますが、コーナーのあるコースでの1000m通過が55秒4という数字も優秀でした。GIIを含む重賞2勝、そしてGIでも好走のある実力馬が、前走で復活成ったと見てますよ」

守屋「僕もアクティブミノルの前走は、確かな復調を感じさせる内容だったと思います。馬群で揉まれるとダメな馬なので、直線競馬はむしろ合っているかもしれないですが、何より理想的な大外枠を引けましたからね。調教で終いまでビッシリ追えていることから、状態面での不安もないですし、別定戦で各馬の斤量が軒並み増えている中で据え置きの56キロも有利な材料です。これが3度目の騎乗となる酒井騎手も、前走後にかなりの好感触を持っていたようですしね」

デスク「ただ、コース経験のある馬が多い中で、この馬は初コースも鍵となるよな」

伊利アクティブミノルが坂路の最終追い切りでマークしたラスト1ハロン11秒4は、ちょっとお目にかかれない凄い数字です。もともと直線競馬は、坂路調教とリンクしやすいと言われていますし、適性は高いと見ていいのではないでしょうか」

福田「前走については陣営も“ブリンカーを着けたことで前向きさが戻ったし、交わされてからも渋太かった”と。もちろん“直線競馬に適性があると思って使う”と、手応えアリの様子やったで」

小野智「私は昨年の覇者が不在なら素直に2着だったネロを狙うべきかと思います。韋駄天Sから臨んだ昨年とは違って半年ぶり、そして58キロの斤量も嫌われているんでしょうが、力と確かなコース適性を信じたいですし、何より過去3戦3勝と相性抜群の戸崎圭騎手なら、持って来るはずですよ」

瀬古ネロは、追い切り本数は十分過ぎるほどの量ですし、最終追いも昨年2着当時は赤帽だった川又騎手が跨いで、ほぼ同じ時計をマークしているんですが、意外なほど陣営のトーンが低いんですよ。初めて背負う58キロが楽ではないにしろ、コースも鞍上も相性がいいのに強気のコメントが出ないとは…。取材の感触上はオススメできないですね」

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