GI馬3頭は影薄く 東京新聞杯のTM人気は重賞未勝利馬!

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東京新聞杯

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軽く扱われ過ぎの実力馬 GI馬3頭も黙っちゃいない

デスク「直ちゃんは、牝馬リスグラシューに◎ときたか。過去10年で牝馬が2勝しているとはいえ、それ以外には2着も3着もないし、あまり牝馬が走るイメージはないんだけどな」

佐藤直「何を寝惚けたこと言ってるんだ。あのね、牝馬はホエールキャプチャ、スマートレイアーと、出走機会2連勝中なんだぞ。前走エリザベス女王杯からの臨戦というのも、その2頭との共通項だし、リスグラシューのようなGI連対かつ重賞勝ちの実績を持つ馬に限れば、過去10年の対象馬もその2頭だけ。つまり勝率100%のデータなんだからな」

細川「輸送を経ての当日の雰囲気にはチェックが必要となる馬ですが、栗東では前走以上の良化が見込める仕上りでしたよ。古馬の牡馬とは初対決となりますし、相手も揃っていますが、それでも矢作師は楽しみにしている様子でしたね」

山崎リスグラシューの能力自体はここでも足りると思うんですが、どうしても後ろからの競馬になる馬ですし、スローペース必至のメンバー構成で差し届くかどうかは微妙なところですよね」

デスク「ところで、最初に“GI馬3頭を筆頭に”なんて言った割に、その名前が出てこないんだが」

馬場「ならば、僕が挙げます。牝馬限定戦とはいえ、この舞台でのGI勝ち馬、アドマイヤリードです。この座談会でも何度かレベルの高さが論じられている昨年秋の府中牝馬Sで、3着とはいえ内容的には最も強かった馬ですし、そこで4着だったクイーンズリングが有馬記念で2着なら、牡馬一線級相手でも足りる計算ですよ。渋った馬場も望むところのタイプですしね」

那谷「ルメール騎手の騎乗停止によって、一昨年11月以来の騎乗となる藤岡康騎手は“調教で久々に乗って成長を感じたし落ち着きもある。動きもマズマズ”と言っていたけど、3ヶ月半ぶりの久々で速い時計が実質3本というのはちょっと物足りないよな。この春の目標は当然ながらヴィクトリアマイル連覇になるわけだし、ここでさほどの勝負気配も感じられないんだよ」

アドマイヤリード

調教本数は少なめのアドマイヤリード(撮影:日刊ゲンダイ)

馬場「一昨年の朝日杯FSを勝ったサトノアレスですが、前走については“一旦は交わす勢いだったが、並んでから馬に寄っていく若さを見せた分”と、陣営は力負けではないことを強調してました。鞍上についても“未勝利戦で勝っているように癖は把握しているはず”と、信頼を寄せてましたね。ただ、パンパンの良馬場が理想の馬ですから、今回の馬場をどうこなせるかでしょうね」

守屋「もう2世代前の朝日杯FS勝ち馬、ダノンプラチナは、昨年の秋が全て坂路主体の調教で、爪の状態を見ながら、いわば“おっかなびっくり”の調整だったのに対し、前走のニューイヤーSではウッドチップでしっかり追い切りを重ね、国枝師のトーンも“不安なくきているし、今回は大丈夫!”と大幅に上昇していたんですよ。ただ、かなりメンバーに恵まれた勝利だったのも確かで、レース後の蛯名騎手のコメントも“6分くらいのデキだけど勝てた”という趣旨の発言で、辛口が身上とはいえまだ完全復調とはいえない口調でしたね。今回について師は“まだ上積みはあると思うが、本当にいい頃はもっと弾むような動きだったよなぁ…”と、最終追いで遅れたことに不満もある様子でしたが、前走の勝利でキッカケをつかんだ可能性はありますし、そもそもこれだけ順調に詰めて使えるのも古馬になってからは初めてですからね。GI馬の底力にマークは必要でしょう」

小野智「さっきも牝馬がどうたら…という話が出ましたが、私はデンコウアンジュを狙ってみます。東京マイルに限定すれば、メジャーエンブレムを差し切ったアルテミスSと、GIヴィクトリアマイルの2着ですから、ケチの付けようがない好相性です。おまけに、2戦とも上がり3ハロンはメンバー最速でしたからね。ここからは私の推測ですが、蛯名騎手がダノンプラチナではなくこちらを選んだのも、手応えあってのことではないかと…」

目黒デンコウアンジュの前走は決して得意とは言えない中山コース。しかも枠順の不利が大きい外枠を引いての3着を陣営は評価していましたね。“着差も僅かだったし、いい競馬だったと思う。中間はここを目標にしっかり乗り込んできたし、デキは凄く良さそう。東京のマイル戦はベストと言っていい条件。脚質的に展開に注文が付くけど、瞬発力はここでも見劣らないハズ”と攻め専の佐藤助手もかなり前向きでしたよ」

板子「マイル戦は新馬戦以来となるカデナですが、その一戦は行く馬を行かせて番手で構えたもののスローでゴチャつく形。直線でも捌くのに手間取り、完全に脚を余しての2着でした。近走では手応えほど追って伸びない場面が目立ちますが、キャリアを重ねて成長した今は、体型から見てもマイルがベストな印象を受けます。相手関係は楽ではないですが、ここで結果を出して今後のマイル路線に存在をアピールする可能性もあると思います」

デスク「あと、気になるところで名前が挙がらないのはハクサンルドルフだな。もっとたくさん印が付くと思ってたんだけど…」

那谷「俺もそう思ってたよ。脚質的なものかたまたまなのか、準オープンに降級してから勝ち上がるのに少し時間がかかったけど、今回騎乗する戸崎圭騎手が“重賞を取れる馬です”と、西園師に言っていたそうなんだ。上がりの数字を比べても、このメンバーで全く見劣りはしないし、安田記念に向けて賞金を加算しないといけない立場では、おのずと勝負度合も違ってくるよな。早々と年末に帰厩して乗り込んできたことも、その現われだと思うぞ」

木谷「実は、今回僕が注目する2頭のうちの1頭がハクサンルドルフなんですよ。今週は35年ぶりの“スーパー・ブルー・ブラッドムーン”が話題だったので、ムーン繋がりでアドマイヤムーン産駒を。この馬とストーミーシーがアツイですよ!  というのも、今年のアドマイヤムーン産駒は〔2・1・1・44〕という成績なんですが、重賞に限定すると〔2・1・1・1〕。つまり重賞でしか馬券に絡んでないっていう珍しい状況なんです。ホントは赤か青の枠が良かったんですが、ハクサンはメンコが青と赤、ストーミーは勝負服が赤ならこじつける材料は十分でしょう(笑)。それで、先週の根岸Sではノンコノユメを諦めた途端、勝たれてしまったデスクですが、推奨馬はなんですか? 」

デスク「木谷のおかげで、二度と開けない引き出しに閉まっておいた先週の記憶を蒸し返してしまったではないか(怒)。俺の勘ピューターも年明けから狂いっぱなしだからこそ、ここはクルーガーでどうだろうか」

木谷「あのぉ、クルーガーって、真逆の“賢者”って意味なんですけどね」

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