過熱する新種牡馬戦線 ダークホースはワークフォース?
【馬声人語】
2億円近いディープインパクト産駒を負かしたのは新種牡馬ワークフォース産駒。欧州からの輸入が目立つ日本の種牡馬事情について考えてみたい。
10分の1の値段でも…
先週の競馬で印象的だったのは、日曜日の函館5レース、芝1800mの新馬戦。戦前から話題を集めていたディープインパクト産駒のヴァンキッシュランが登場したが、単勝1.4倍の支持に応えることが出来ずに、2着に敗退してしまったレースである。そのヴァンキッシュランの取引価格はなんと1億9950万円。一方、ヴァンキッシュランを負かしたアフターダークの取引価格は1944万円。自分の10倍の値がついた馬に土を付けたのだから、まさしく下克上である。値が高ければ必ずしも走るとは言えない、こういった逆転現象もまた競馬の醍醐味ではないだろうか。
波乱を演出したワークフォースの初年度産駒
前述のアフターダークは今年が産駒デビュー年となるワークフォース産駒である。ワークフォースといえば3歳時にデビュー3戦目で英ダービーを7馬身差のレコードタイムで制し、凱旋門賞ではナカヤマフェスタとの壮絶な叩き合いの末、アタマ差で勝利した名競走馬。血統的には母の父がサドラーズウェルズで、日本の芝への適性を疑問視する声もあるが、父キングズベストのさらに父は大種牡馬キングマンボ。父はすでにエイシンフラッシュというダービー馬を輩出していることから、それほど不安視する必要はないのかもしれない。これほどの馬が日本に輸入されたことは、正直言って驚くべきことであるが、サンデーサイレンスの血統に対抗する血、薄める血の役割として重要な立ち位置にあることは間違いない。
宮崎(競友)
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