「一流のオーラ」ファインニードルがＴＭ陣にも人気　台風も不問か

まだまだチャンスのある馬たちも　そして気になる香港馬は…

瀬古「僕もサマーシリーズ組に注目したんですが、ダイメイプリンセスを狙います。前走の北九州記念は、内をピッタリ通れた勝ち馬とは対照的に外々を回っての２着を評価したいですし、重くて走りづらい馬場だった今週の坂路で、苦もせずに鋭く伸びた動きに、充実していた夏からさらにレベルアップした印象も受けましたからね」

馬場「アイビスＳＤを勝った時点では、まだ直線巧者のイメージもありましたが、前走は完全に一皮むけた感を受けましたよね。もともと中山でも実績がある馬で、時計のかかる重馬場での勝利もあるくらいですから、今回の馬場も合うのではないでしょうか」

細川「陣営は“以前とは違い、使っても筋肉が落ちなくなったことが本格化の要因”と見ていて、使い詰めで大きな上積みこそないですが、状態は維持できているようです。ただ、今回は相手が相手ですからね、どこまでやれるか、と言ったところでしょう」

ダイメイプリンセス(右)はサマーシリーズで一皮むけた？（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「サマーシリーズを３戦してここに臨んでくることは、それだけ状態がキープできているということなのかもしれんが、同じ森田厩舎のラブカンプーもまた、この夏の３戦がいずれも好内容だったな」

細川「こちらも使い続けているので、調教では“馬体をやわらかくさせ、疲れを取ることを重点にやってきた”とのことです。勝ち切れないものの、厳しい流れでも渋太い走りを見せていますし、レースのたびに色々と克服してきている馬です。これまた初のＧIで、どこまでやれるかですね」

山崎「僕は昨年の３着馬ワンスインナムーンを。調教師や厩舎スタッフが“昨年以上のデキ”と口を揃えるほどの状態の良さに注目します。以前は輸送やレース後にカイ食いが落ちることもありましたが“メンタル面が強くなった”とのことで、調教でも負荷をかけることができるようになりましたし、追い切りに乗った石橋脩騎手もかなりの手応えを掴んだ様子です。同型もいますが、うまく主張すればスンナリとハナを奪って昨年同様の形に持ち込めそうですし、昨年以上のデキなら連絡みも十分に可能でしょう」

田崎「僕はラッキーバブルズが侮れないと見てますね。レベルの高い香港のスプリント界で実績を残してきた馬ですし、高速決着への裏付けがないぶん渋った馬場もいいはずです。加えて、近走より軽い５７キロの斤量なら、香港ＧI馬の底力を見せるシーンも十分ありますよ」

デスク「これについては、例年通り、追い切りをナマで観てきた久光に語ってもらわないとな」

久光「近走の不振を受けて少し色眼鏡で見ていたんですが、木曜の追い切りを見てその考えは覆りましたよ。確かに神経質な面は覗かせてましたが、馬が納得してからの動きは躍動感十分でしたね。プレブル騎手によると“ブリンカーの効果が出ていた”とのことで、舌を縛って復調の兆しを見せた前走の走りと考え併せて、今回は引き続き舌を縛ってブリンカーを実戦でも使用することに決めたようです」

デスク「そう言えば思い出したよ。昨年も久光の香港馬レポートを聞いて、ブリザードという馬をちょこっと買って損したんだよな」

久光「元値は昨年５着のブリザードよりも上の馬ですからね。とても無視はできない存在だと思いますよ」

須藤「香港のスプリンターと言えば、過去にこのレースを勝ったサイレントウィットネスに代表される雄大な馬格を持ったイメージがありますよね。そんな香港馬に似たタイプと思えるのが、南半球産のキャンベルジュニアですよ。前走で１２００ｍの予行演習を済ませた上で得意の中山なら、人気を考えても面白そうです」

馬場「予行演習と言えば、ムーンクエイクの前走もそうでしたが、初距離に加えて出遅れて流れに乗れなかった割には、終いはよく伸びて差を詰めていました。一叩きで状態はグンと良くなっていますし、“メンバーは強くなるが、距離２度目の慣れが見込めるし、コース替わりも気にならない”とのことなら、無視はできませんね」

デスク「あとは昨年の高松宮記念を勝ったセイウンコウセイの名前が出てこないんだが。前走ではそれ以来となる復活Ｖも果たしているし、もう少し重い印がついていいんじゃないのか？」

板子「本質的には平坦コース向きの馬で、昨年の１１着という結果からも、陣営は中山の急坂を克服できるかどうかを鍵として挙げてました。同型も多いですから“今回は枠順次第で戦法を考える”と、上原師は話してましたが、雨もまた心配材料なんですよ。高松宮記念勝ちの内容から道悪巧者のイメージも強い馬ですが“多少渋るくらいで適度に時計がかかるのが理想。明らかに道悪になれば、走ってみないと…”と慎重なコメントで、極端に悪くなって欲しくはないというのが本音のようです」