勢い止まらぬ3歳勢 ギベオンが中距離路線に存在をアピール

佐藤直文 レース回顧
中日新聞杯

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最後は3歳馬と7歳馬の差か ギベオン

 逃げたマイスタイルは前半1000mを58秒7で通過し、その後もペースを緩めなかった。いくらこれが“マイスタイル”とはいえ、これを追いかけた好位勢を含めて失速し、中団~後方勢が台頭する結果となったのも無理はなかった。

 ギベオンは、縦長の展開となった中でのほぼ真ん中の位置取りから、絶好の手応えで直線を向くと、残り300mの地点で早くも抜け出す形。そこから一旦は強襲した2着馬に交わされたものの、並んで差し返したところがゴールだった。最後は3歳馬と7歳馬の差もあっただろうが、鞍上の腕の差もあっただろう。馬も、前走後に一息入ったが仕上りは上々で、NHKマイルC2着馬とはいえ、やはり中距離でこそのタイプ。今後の成長次第では、もっと大きな舞台での活躍も期待できる。

 2着ショウナンバッハは、7歳秋にして待望の初重賞制覇が夢散となったゴール前だったが、久々にこの馬らしい脚を見せた。いつ走るのかは難しいタイプではあるが、ハンデGIIIならまだまだチャンスはあるだろう。

 3着ストロングタイタンは、そこから4馬身離されては、まだまだと言える内容だったが、前走からプラス36キロの体重で崩れなかったことは評価できるし、むしろこれだけ馬体を戻したことで、次走以降への展望が開けたと言える。

 4着レイホーロマンスは、道中は離れた最後方から、展開とハンデを味方によく差を詰めたもの。愛知杯2着もあるように、この舞台での適性も示した形だ。

 5着メートルダールは、完調であれば上位に来ておかしくない位置取りだったが、まだ仕上り途上だったか。叩いて次は良くなるはずだ。

 マイスタイルは、前述したように自ら息の入らないラップを踏んでは失速も仕方なかったが、やはり直線の短い小回りコースでこその馬か。グレイルは、前走後に楽をさせたせいか調教でも本来はもっと動いていい馬。見せ場なく敗れたのは状態の問題だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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