見事なまでの復活劇 菊花賞馬の猛追をシャケトラが凌ぎ切る

佐藤直文 レース回顧
アメリカJCC

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6歳とはいえキャリアは少な目 シャケトラ

 前半1000mが62秒2、最初の2ハロン目を除いては乗り800m地点まで12秒台のラップが続くというスローな流れとなったが、これでは道中のポジションは関係なしの瞬発力勝負となったのも当然だ。淀みなく流れての持久力勝負となるのでは、という予想の大前提が崩れてしまっては、当たらないのもまた当然。勝ち馬をマークできなかったことも含めて、己の不明を恥じたい。

 シャケトラは、好位の外目で巧く流れに乗り、勝負どころから手応え良く進出して直線を向いたところで早くも先頭に。最後は2着馬の猛追に遭ったが、並ばれてからもうひと伸びして、実に13ヶ月ぶりの復帰戦を見事な勝利で飾った。急遽の乗り替わりでの騎乗となった石橋脩騎手の好判断に加えて、長期のブランクがありながらここまで仕上げてきた陣営も見事と言うしかなく、6歳とはいえキャリアはまだ12戦と消耗もしていないだけに、楽しみな馬が還ってきたと言えよう。

シャケトラ

シャケトラ(橙帽)が13ヶ月ぶりの実戦で復活V(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着フィエールマンは、うるさい面も見せずに今日のスローな流れでもスムーズに折り合えていた。馬群の中で少し踏み遅れた感も受けたが、ラストの伸びはさすが菊花賞馬と言えるもので、勝ち馬を褒めるべき結果だろう。

 3着メートルダールは、勝負どころから外を回って追い上げて、見せ場十分の好内容だった。けっして展開が向いたわけではなかったことを考えても、評価できるレースぶりだったが、今日のような競馬ができるのなら距離がもう少し延びてもいいのではないか。

 4着ジェネラーレウーノは、目標にされることを嫌って2番手で運んだのはいいとしても、もうワンテンポ早く動いて後続に脚を使わせるべきではなかったか。スローに落とし過ぎて瞬発力勝負を招いてしまった菊花賞と同じ形では、キレ負けして当然だった。

 5着サクラアンプルールは、直線を向くまで脚を溜めていたいタイプだけに、今日の流れでは厳しかったと言えるが、8歳という年齢を考えてもここまでが精一杯だったか。

 ダンビュライトも、4着馬同様に瞬発力勝負になっては分が悪いクチだが、勝負どころでの反応も一息だったあたり、勝った昨年のデキにはなかった印象を受ける。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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