常識破りグランに対し「敗れた当時とは…」とダノン陣営

４ヶ月経っても勢力図に変化なし　本紙須藤は２歳女王ダノンファンタジー◎

デスク「同じ舞台で行われることもあってか、暮れの阪神ジュベナイルＦや直前のチューリップ賞が、参考レースとして最重要視しなければならないのは例年通りなんだが、その両方を勝っているダノンファンタジーには、やっぱり一目置かなければならないな」

坂倉「桜花賞への王道路線を歩んでキッチリと結果を出しているわけですから、逆らうわけには行きませんよね。これまで唯一の敗戦である新馬戦の勝ち馬グランアレグリアが、ぶっつけ本番の上に右回りにも不安を残していることを考えれば、ここでは素直にダノンファンタジーを上位と見るべきですし、鞍上の川田騎手も今季絶好調なら死角はないに等しいでしょう」

板子「ダノンファンタジーの阪神ＪＦは、クロノジェネシスのプレッシャーを跳ね除けて押し切った内容に着差以上に力の差を感じましたし、チューリップ賞でもスタートが良すぎたことにスローペースも重なって折り合いを欠きましたが、最後は力でねじ伏せたように、これまた着差以上の圧巻の内容です。逃げ馬不在で展開が鍵となりそうですが、馬券の軸としての信頼度は高いでしょう」

久光「阪神ＪＦの上位３頭が、順調に年明け緒戦で好走し、強力な新興勢力の登場もないとあれば、ダノンファンタジーが力のヒエラルキーでやはり最上位と見るべきですね。休み明け以外では、直前もコースで乗られたのは今回が初めてという、意欲的な調教もプラス材料です。能力でそれ以上の可能性を残すグランアレグリアが年明け緒戦になるのなら、今年は順当に決まる公算がかなり高いのではないでしょうか」

デスク「本紙須藤もそんなところか？」

須藤「けっして飛び抜けた存在ではなく、様相としてはグランアレグリア、クロノジェネシスを加えた３強ムードですが、やはりどんな競馬になっても即座に対応できるセンスの良さを考えれば、ダノンファンタジーが頭一つリードしているでしょうね。不利を受けづらい外目の枠を引いたことも、けっして悪くない材料だと思います」

市場「ダノンファンタジーの一週前追い切りは、使って余計にスイッチが入ってしまったかの印象を受けましたが、最終追いではそんな素振りを少し見せたとはいえ、しっかりと抑えも利いていい稽古ができたように思います。直線での雰囲気もかなりのモノでしたし、体調は万全に近いと見ていいでしょう。あとは当日の気持ちの入りようだけですが、阪神ＪＦでは後方から差してきたように、レースに行って対処できるタイプですからね。よほどのことがない限り、勝ち負けしてくれるはずです」

加茂「チューリップ賞で見せた力みも、陣営に言わせると“許容範囲内”とのことやし、調教で掛かる面についても“レースに行くと折り合いも付く”と、心配はしてない様子や。“グランアレグリアに敗れた当時と今とでは、パワーが違う。３戦３勝の舞台なら負けられない”と、陣営の意気込みもかなりのモンでした」

万全に近い状態に仕上がったダノンファンタジー（撮影：日刊ゲンダイ）

デスク「ただ、それでも加茂はクロノジェネシスに◎を打ってきたんだな」

加茂「ダノンが強いのはわかってますが、この馬のポテンシャルも相当なレベル。唯一敗れた阪神ＪＦにしても、致命的な出遅れを考えれば、勝負付けが済んだとは言えないやろ。デビュー時から期待を寄せていた北村友騎手も、先週ようやくＧI初制覇を成し遂げたわけやけど、２週連続のシーンも十分ありまっせ」

武井「ステップレースでも結果を出している阪神ＪＦの上位組を中心視するのは、◎ダノンの方たちと共通の認識ですが、僕も阪神ＪＦのクロノジェネシスは力負けとは言えない内容だったように思います。その出遅れについては、前走のクイーンＣでスタートを決めて流れに乗る競馬ができたことで心配はないですし、他馬より１キロ重い斤量を背負っていたことを考えれば、これまた着差以上の内容でしょう。ダノンには折り合いの不安もあるという点で、ここは逆転の目に期待します」

西田「クロノジェネシスの阪神ＪＦは、直線での追い比べでダノンに見劣ったとはいえ、上がり３ハロンの数字は上回ってましたからね。ロスのない運びができれば、強いダノンを負かすことも十分可能でしょう」

小桧山「クイーンＣでは、スローでもしっかりと折り合えていたし、直線でも２着馬が来ればまた伸びる、という内容だったけど、あの競馬ができれば勝機も十分あるよ。強力な逃げ先行タイプが不在で、スローの決め手比べになるのなら、ある程度の位置で折り合って運べるクロノジェネシスに魅力を感じるな」